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 ドイツBMWの日本法人であるビー・エム・ダブリュー(東京・港)は2023年2月17日、小型SUV(多目的スポーツ車)「X1」の全面改良車を発売した。納車は同年2月下旬からの予定である。

 3代目となる新型X1(以下、新型車)は従来のガソリンエンジン車に加えて、電気自動車(EV)モデル「iX1」を設定した(図1)。BMWの小型車セグメントでEVを設定するのは、今回が初めてという注)。今後、同セグメントに投入するEVモデルを増やす計画である。

注)BMWは2013年に小型EV「i3」を発売したが、同車の生産は既に終了している。そのため現行の小型車セグメントでは、今回の iX1が初めてのEVになる。
iX1
図1 小型SUVタイプの新型EV「iX1」
(写真:日経Automotive)
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 新型車のEVモデル(以下、EVモデル)は、駆動用モーターを前輪と後輪に搭載する四輪駆動(4WD)車だ。前後モーターの最高出力は140kW、最大トルクは247N・m。システム全体の最高出力は200kW、最大トルクは494 N・mである。

 乗員室の床下全面に、電力容量66.5kWhのリチウムイオン電池パックを搭載した。1充電当たりの走行可能距離(航続距離)は、465km(WLTCモード)となっている。

 競合車の中には航続距離が500kmを超える車種があるが、「465kmの航続距離であれば、街乗りなどの日常利用だけでなく、長距離運転にも対応できる」と、ビーエム・ダブリューBMWブランド・マネジメント・ディビジョン本部長の遠藤克之輔氏は話す。

 充電方式は普通充電と急速充電(CHAdeMO)に対応。現在主流の90kWの急速充電器を使うと、充電開始時の電池残量10%の状態から80%の状態まで約50分で充電できる。約30分の急速充電でも、電池残量を10%から約55%まで増やせる。

 一方、BMWの普通充電器(200V/32A)を自宅で利用すると、電池残量10%の状態から80%の状態まで充電するのに約6時間30分かかる。