「ゲームの主人公のように計算科学の世界を探索して現象を理解できる」――。
レゾナックは、半導体の材料や製造用資材の材料開発において、分子の動きなどのミクロな現象を間近な視点で観察できる仮想現実(VR)技術を導入した(図1)。分子動力学計算に基づく解析結果を可視化し、分かりやすく説明する手段としてVRを活用する。技術者同士のコミュニケーションを円滑にして、材料開発の加速につなげたいとした。
今回導入したVR技術では、ソフトウエア「UnityMol」で原子・分子を3Dモデルで表現し、米Meta Platforms(メタ)のヘッドセット「Meta Quest 2」に表示する。観察者はMeta Quest 2に付属するコントローラーで分子モデルを拡大・縮小・回転できる。分子の動きは動画でも再現できる。
VRで表示できる原子数は最大50万個。ただし、コンピューターの処理速度の都合上、静止画では数万~10万個程度、動画では数千個程度が適しているという。