SUBARU(スバル)は2023年3月3日に開催した取締役会において、取締役専務執行役員製造本部長の大崎 篤氏が、社長兼最高経営責任者(CEO)に就任する人事を内定した。現社長兼CEOの中村知美氏は取締役会長に就く。同年6月に開催予定の定時株主総会と、総会終了後の取締役会を経て就任する。
2018年に策定した中期経営ビジョン「STEP」の取り組みが2023年に5年間の区切りを迎えたことを受けて、自動車業界を取り巻く大変革期への適応を加速させるために、新たな体制に移行することを決めた。
2018年に社長に就任した中村氏は、2017年に発覚した「完成車検査の不正」からの信頼回復に向けて、品質改革など社内体制の見直し(意識改革、行動改革)に尽力してきた。
新社長に就任予定の大崎氏は技術畑の出身だが、労働組合の専従者を務めるなど入社後のキャリアはユニークだ。また、品質保証本部長や最高品質責任者(CQO)を長く務め、検査不正からの信頼回復に向けた現場の対応に奔走してきた。2021年4月からは製造本部長を務めている。
東京都内で同日に開いた会見で中村氏は、「(大崎氏は)新社長にふさわしいと考えている。新しい体制で変革をさらに進めてほしい。会長として新社長を全力で支える」と強調した。
これを受けて大崎氏は、「現場が大事だと考えている。行き詰まったときは生産・販売の現場に足を運び、解決策を考えてきた。これからも、この考えを基にして経営に当たる」と宣言した。