米Analog Devices(アナログ・デバイセズ、以下、ADI)が同社初のCMOSベース3次元ToF(Time of Flight)センサーを2023年2月に出荷を開始した(図1)。開発したセンサーは、米Microsoft(マイクロソフト、以下MS)のToFセンサー技術「Azure Kinect」の技術をベースにしており、5m先の測定誤差は±3mmと小さい。人との協調が求められているロボットへの応用などで今回のToFセンサーが有用だという。
ADI初のCMOSベース3次元ToFセンサーについて、同社のインダストリアル オートメーション製品事業部 インダストリアルビジョン担当シニアダイレクターのTony Zarola氏に話を聞いた(図2)。この製品の開発に当たってADIは、MSと戦略提携を結んでいる ニュースリリース 。提携によって、ADIはMSのAzure Kinectについてライセンスを取得し、それをベースに製品開発した。今回のセンサーは、ADIが2023年2月から出荷を開始した。
ADIのToFセンサーは、大きく2つの要素から成る。レーザーを発振し測定対象からの反射光を受信するカメラモジュール「ADTF3175」と、撮像結果から距離を計算するISP(Image Signal Processor)「ADSD3500」である(図3)。このうち、カメラモジュールのADTF3175は2022年6月に発表されている*1。今回のインタビューでは、ISPのADSD3500が紹介された。ADSD3500は640×480の解像度であれば90フレーム/秒で深度算出が可能である。
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