光産業技術振興協会(OITDA)は2023年3月16日、2022年度の光産業(光機器・装置と光部品)の日本企業の海外生産を含む出荷額(全出荷額)と国内生産額の見込み、2023年度の予測、2021年度の実績を発表した。2022年度の全出荷額(見込み)は前年度比8.5%増の12兆6426億円、国内生産額(見込み)は同6.2%増の6兆2059億円の大幅増となり、全出荷額は2年連続でプラス成長、国内生産額8年ぶりに増加に転じる見込みだ(図1)。
「新型コロナウイルスの感染拡大が収まり、半導体不足などの問題が解消して需要に応えられるようになったこと、物価が円安に振れたこと、物価高によって販売価格が上昇したこと、という3つがうまく重なったことが今回の結果の要因」(OITDA 副理事長・専務理事の小谷泰久氏)という(図2)。2023年度は出荷・生産ともに横ばいを予測している。
同協会では、「情報通信(光伝送機器・装置や光伝送用部品)」「情報記録(光ディスク装置・媒体など)」「入出力(光学式プリンターや複合機、デジタルカメラ・デジタルビデオカメラ、カメラ付き携帯電話(スマートフォン)、タブレット端末、イメージセンサーなど)」「ディスプレー・固体照明(薄型テレビやディスプレー素子、LED照明機器など)」「太陽光発電(太陽光発電システムや太陽電池セルモジュール)」「レーザー・光加工(レーザー・光応用生産装置やレーザー発振器)」「センシング・計測(光測定器や光センシング機器)」の7分野を光産業として調査している。
これらの分野のうち、光産業全体の成長をけん引したのが、「入出力分野」である(図3)。2022 年度の全出荷額は前年度比23.5%増となる合計3兆8659 億円、国内生産額は同25.3%増の1兆2174億円を見込んでいる。同分野に含まれる、光学式プリンター、デジタルカメラ・ビデオカメラ、監視カメラ・車載カメラなどそれぞれのカテゴリーで出荷額・生産額ともに増加傾向にあるが、高価格帯デジタルカメラ販売好調、自家用の高画質動画撮影のニーズ拡大、スマートフォンの需要回復と複眼化の加速など、理由はカテゴリーごとにさまざまだという。