日本自動車工業会(自工会)は2023年3月23日に開いた会見で、辞意を表明していた豊田章男会長の続投を発表した。今回の続投で豊田氏は、2024年5月の任期満了まで会長職を続けることになる。会見で豊田氏は「続投は昨日決めた」と話した。副会長には新たにトヨタ自動車の次期社長となる佐藤恒治氏(現・同社執行役員)が就任することも発表した。
理事の就任について自工会は、「各社の執行をつかさどる社長であること」を申し合わせとしている。そのため豊田氏は同年1月、トヨタの社長から会長へ就任することを理由に、自工会の会長を3期目途中で退くことを表明していた。
副会長の片山正則氏は「辞意を受けてから非常に早い段階で、慰留をお願いすることで全理事の総意を確認した」と話す。豊田氏の辞意表明後、副会長全員で対応策を協議。自動車産業を取り巻く環境が急速に変化する中、「様々な改革をリードしてきた会長には任期満了まで力を借りたいという意見で一致した」(片山氏)という。その上で、2月の初めに開いた緊急理事会議で、慰留の全理事の一致を確認した。
会長の慰留に際して、同時に自工会の運営体制にも課題が明らかになった。副会長の日髙祥博氏は「これまで会長に負担が過度に集中していた」と話す。