レゾナック・ホールディングス(以下、レゾナック)は2023年5月15日、2023年度第1四半期(1~3月)の決算説明会で2023年度通期(1~12月)の連結業績の予想を公表。最終損益が460億円の赤字の見込みであると明かした(図1)。
主力の半導体・電子材料事業で2022年後半から続く需要低迷が「2023年いっぱいまで長引く」〔同社取締役常務執行役員最高財務責任者(CFO)の染宮秀樹氏〕とみる。
需要低迷の要因の1つが「コロナ特需」からの反動減だ。新型コロナウイルス感染症の拡大によるリモートワークの増加で盛り上がったデータセンターやデバイス市場が一転、需要が冷え込んでいる。「(半導体・電子材料事業の)多くの売り上げを占める(半導体)メモリーメーカーやデータセンター向けサーバー関連の顧客で生産調整が続いて」(同氏)おり、その需要減がレゾナックの業績を直撃している格好だ。
こうしたコロナ特需の反動減は、化学製品の一部にも影響が出ているという。例えば、医療用手袋などの原料となるクロロプレンゴムは、新型コロナの検査用途で需要が拡大した。ところが現在は「顧客(手袋メーカーなど)の在庫が積み上がっている状況」(同氏)。従って、在庫調整が進む2023年はクロロプレンゴムの減収が続くと見られる。