「ディスプレー材料事業の見直しは道半ば。もう一段階進める必要がある」
2023年5月15日に開催した「2022年度決算および経営戦略説明会」で、住友化学代表取締役社長・社長執行役員の岩田圭一氏は、2024年度に進める低収益事業の体質転換・合理化についてこう語った。
同社の2022年度の実績は、売上収益以外は大幅減益となった。売上収益は2兆8953億円(前年比+1300億円)で過去最大。しかし、コア営業利益は928億円(前年比−1420億円)、営業利益は310億円の赤字(前年比−2460億円)、純利益は70億円(前年比−1551億円)といずれも大幅減益という結果になった。
セグメント別に見ると、農薬が好調だった「健康・農業関連事業」以外は全て減益だった。「情報電子化学」は半導体材料が好調な一方でディスプレー材料の売価下落と出荷減少によって476億円で前年比102億円の減益。「エッセンシャルケミカルズ」では原料高騰や、世界経済の減速に伴う合成樹脂などの出荷減少によって−342億円で前年比877億円の大幅減益となった。
こうした業績の悪化に対して同社は、2024年度は着実な回復を見込んでいる。情報電子化学やエッセンシャルケミカルズなど医薬品以外の4部門のコア営業利益について、2023年度で1060億円、2024年度で1660億円との予想を立てている。成長事業の増強・強化と低収益事業の体質転換・合理化を、業績改善のための柱とする考えだ。