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ついに「H3ロケット」が種子島に到着する——。三菱重工業で組み立てられていた新型ロケットH3の機体が2021年1月26日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の種子島宇宙センターへ向けて出荷された。21年度に予定されている初号機打ち上げに向けて、同センターの射場作業を開始する。
日本の次期基幹ロケット「H3」は、宇宙輸送システムとしての国際競争力を高めるため、打ち上げコストや打ち上げ準備期間の半減を目標に開発が進められている。初号機は当初、20年度中(21年3月まで)に打ち上げ予定だったが、20年5月に実施した主エンジン「LE-9」の燃焼試験で不具合が発生。打ち上げ予定が21年度中に延期されている。初号機打ち上げ後は年間6回の打ち上げ実現を目指す。
日本の宇宙産業の土台をつくるH3の機体やエンジン、ペイロード(積載物)を収容する衛星フェアリングなどは、種子島宇宙センターに出荷されるまでにさまざまな場所で製造され、各種試験を実施する。どこで造られ、どこで試験を実施しているのか。整理してみる。