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台風で自宅が損壊したり転職により余裕ができたりしたことから、自宅の建て替えを検討し始めた。どうせ建て替えるなら自分の趣味を存分に楽しめるようにしたい。しかし、調べてみると自分のスタイルにマッチする部屋の例は意外と見つからなかった。

 Hagibis(ハギビス)、後に国内で「令和元年東日本台風」と呼ばれることになる2019年の台風19号は、築50年近い自宅(以下、旧自宅)にそこそこ深刻な被害をもたらした。不幸中の幸い、人的にも物的にも隣近所に迷惑をかけることはなく、かつ保険で対応できたものの、改築に改築を重ねていた生家において最も新しい――とはいえ25年選手だが――屋根瓦にダメージを受けた事実、そしてそれ以上に自然災害で建物が壊れたという事実は筆者に建て替えを考えさせるに十分な事件だった。

仕事の都合で出たり入ったりしつつ、30年くらい生活していた旧自宅(写真中央)。床下は野良猫に占拠されて久しかったり、冬になると窓ガラスという窓ガラスが結露してカビだらけになったりと、愉快なエピソードには事欠かない
仕事の都合で出たり入ったりしつつ、30年くらい生活していた旧自宅(写真中央)。床下は野良猫に占拠されて久しかったり、冬になると窓ガラスという窓ガラスが結露してカビだらけになったりと、愉快なエピソードには事欠かない
(筆者撮影)
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 また2019年は筆者にとって、社会人になってから19年間続けてきた「(パソコン関連メディアの)編集者」という仕事から足を洗い、まったく異なる業界へ飛び込んだ節目の年でもあった。1日平均12時間労働、休日は月1~2日あればいいほう、深夜対応当たり前にありという仕事から、年に数回ある多忙な時期を除けばほぼ普通に週休2日制の仕事へ変わった結果、修理の進む自宅を眺めながら建て替えについて本気で考える時間ができたのである。

旧自宅のリビング的な何か。旧自宅で最も古い部屋の1つだ。ここを通らなければ1階トイレにはたどり着けなかった
旧自宅のリビング的な何か。旧自宅で最も古い部屋の1つだ。ここを通らなければ1階トイレにはたどり着けなかった
(筆者撮影)

 付け加えると、筆者自身には結婚する気がまったくなく、最終的には1人で野垂れ死ぬ気満々なのだが、米国に住む妹が男児を2人ももうけてくれたので、彼らに相続すれば日本での拠点として使うか売り払って生活の足しにしてもらえるか(=国に没収されず済む)が確定した。この「家を新しくしても完全なムダにはならない」点が筆者の決断を後押しする要素になったことは否定しない。

 というわけで、複数の要因により建て替えは決まった。となると次に考えるべきは、どこまで自分の要望を押し通すかである。

オーディオ、本、カメラ、サーバーを何とかしたい

 新築や改築に合わせて趣味のための部屋を用意するというのはよくある話だ。クルマいじりや日曜大工のためのガレージ、電源や防音を突き詰めたオーディオルーム、天井までそびえる本棚で埋め尽くされた書庫といったあたりは三大定番ではないかと思うが、コンピューターのマニアが自宅にサーバールームを用意したり、ゲーマーが光るデバイスで部屋をトータルコーディネートしたりといった例もよく見る。実際これらは、適当なキーワードを「Pinterest」へ入れてみるだけで世界中の実例を写真入りでいくらでも探せてしまうから、目指すべき方向性を検討しやすい。

Pinterestの検索結果。こんな感じで部屋のイメージを探せる
Pinterestの検索結果。こんな感じで部屋のイメージを探せる
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 問題は、限られた予算、そして限られた敷地面積にもかかわらず、複数の趣味を同時並行で走らせているケースである。筆者の場合は「オーディオ」「本」「カメラ」と、オーディオおよびカメラで撮影した写真のための「サーバー」がそれだ。