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 クラウドのコストを削減するには、特性やサービスの動向を押さえたうえで、継続的に使い方を見直す必要がある。本特集では、鉄道の乗り換え案内サービスなどを提供するナビタイムの事例を中心に、最新のクラウドコスト削減のポイントを探る。同社は2019年、それまでオンプレミスのサーバーで運用していたシステムを米アマゾン・ウェブ・サービスの「Amazon Web Services(AWS)」へ移行完了して以来、コスト削減の工夫を積み重ねてきた。本特集ではAWSに加えて米マイクロソフトの「Azure」のコスト削減策も取り上げる。

 クラウドサービスは機能追加や料金体系の見直しが頻繁にある。情報を収集してコスト削減につなげたい。

 AWSであれば、毎年の年末に年次イベントの「re:Invent」を開催し、一挙に数多くの発表をする。基幹システムのクラウド移行を手掛けるBeeXの広木太社長は「re:Inventなどで仮想マシンやストレージに新タイプが追加されると、発表の翌日には利用企業から試したいとの連絡がある。ただし新サービスや新タイプには思わぬ制約などがあるので、注意が必要だ」と話す。

 AWSが2020年末に開催した「re:Invent 2020」でもコスト関連の様々な発表があった。注目したい動きの1つが、ArmベースのAWS独自プロセッサー「Graviton2」の適用拡大だ。Graviton2版のEC2インスタンスはIntel版に比べ、目安として価格対性能が40%優れるという。

 ただ、IntelとArmではプロセッサーアーキテクチャーが異なるので、アプリの移行に当たってはArm用にリコンパイルする必要がある。ナビタイムは「簡単にリコンパイルできるアプリには、Graviton2を本番環境でも利用している」(ナビタイムの小泉亮輔インフラエンジニア グループマネージャー)。

 リレーショナルデータベース(RDB)サービスの「Amazon Aurora」のように運用を自動化したマネージドサービスについては、Graviton2版を採用してもアプリのリコンパイルが不要であり、コスト削減を期待できる。

表 AWS re:Invent 2020におけるコスト削減に関連した発表の例
新サービスや機能拡張をコスト削減に生かす(出所:アマゾン ウェブ サービス ジャパンの資料を基に日経コンピュータ作成)
表 AWS re:Invent 2020におけるコスト削減に関連した発表の例
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