2021年に入っても、新型コロナウイルスの感染拡大は止まらない。コロナ以前より、不確実性や曖昧(あいまい)さはますます増している状況だ。多くの専門家の間で、長期的な“Withコロナ時代”を覚悟する必要があると言われており、コロナ禍が収束しても元の世界には戻らないとの見方が大半だ。このような中で、人材・組織開発のあるべき姿はどのようなものか。これまでの“常識”は通用するのか。今まさに人材・組織開発のあり方が大きく変わろうとしている。
時代は大きく変化している
かつての「モノ」を作れば売れる時代には、明確なゴールがあった。いわば、外部環境が固定された時代であり、明確な課題をいかに速く効率的に解くかが問われていた。しかしながら、時代は大きく変化している。
世界は不確実性や曖昧さが増しており、「VUCA」注1)時代と呼ばれている。外部環境が目まぐるしく変化を繰り返しており、「何が起こるか分からない、誰も正解が分からない時代」といわれる。多様化する市場の声を聞きながらも、自らゴールを設定し、そのゴールまでの道を切り開く力が問われている(図1)。
外部環境が目まぐるしく変化する中、組織がパフォーマンスを高めるにはどうすればよいのか。本コラムでは、個人と組織に求められることについて考える。