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 第1回の本コラムでは、個人の自律性を高め、それを組織が許容することにより、多様化していく市場要求に応えられるようになることを説明した。第2回では、個人の自律性の向上について考える。

自律性を高めるためのヒント

 個人の自律性はどのようにして高まるのか。本当に高めることが可能なのか。当社のこれまでの支援活動により見えてきたのは、次の2つが自律性に大きく寄与している事実である。

・ビジョンの明確さ:仕事を通して成し遂げたいことが明確になっているか
・自己有能感の高さ:自信を持って仕事に取り組めているか

 図1は日本の製造業を対象にした調査結果から、自律性の高さ、ビジョンの明確さ、自己有能感の実態をプロットしたグラフである。左のグラフでは、横軸にビジョンの明確さを取り、縦軸に自律性の高さを取った。ビジョンの明確さが異なる3グループ(無い、曖昧、明確)別に自律性の高さの平均をプロットした。プロットサイズの違いはグループの人数比を表す。右のグラフでは、横軸に自己有能感を取り、同様にプロットした。

自律性の高さとビジョンの明確さ、自己有能感の実態
図1 自律性の高さとビジョンの明確さ、自己有能感の実態
(出所:ITID)
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 どちらもきれいな相関があり、ビジョンの明確さや自己有能感を上げることによって自律性を高められる可能性を示唆している。今回は、なぜこの2つの項目で自律性と相関が見られたのかを紐(ひも)解き、この2つの項目の向上を通して、自律性を高めていく考え方とアプローチを紹介する。