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 第1回の本コラムでは自律性と一体感の重要性について解説し、第2回では個人の自律性を読み解くことで、自律性向上のためのポイントを押さえてきた(図1)。第3回では会社内での自律性に着目し、従業員が自律性を発揮するために会社が果たすべき役割や、自律性向上のための取り組みについて紹介する。

継続的な自律性を発揮するためのポイント
図1 継続的な自律性を発揮するためのポイント
(出所:ITID)
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組織の中で自律性を高めるには

 魅力的な目標設定と遂行を継続的に行う「自律性を発揮するためのサイクル」を組織の中で回すために考えるべきことは何か。自己有能感を軸に、下記の3つの項目に分けると理解しやすい(図2)。

(1)フォロー
(2)報酬
(3)目標設定

自律性向上に対する組織の役割
図2 自律性向上に対する組織の役割
(出所:ITID)
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フォローに関係する3つの働き

 自己有能感の向上・低下に関わる項目のうち、フォローは下記3つの働きに関係する。

・ 代理的説得:他者がやっているのを見て得られる「自分にもできそう」という感覚
・ 言語的説得:周りからの説得、励まし
・ 生理的喚起:心身の健康状態

 上司や先輩が手本を見せたり、説得・励まし・メンタルケアを行ったりすることで、自己有能感を維持・向上させることができる。パワーハラスメントは言語道断として、威圧的な態度も自己有能感を下げ、自律性を損なう行為であることを理解すべきである。