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日本看護協会ビル(写真:的野 弘路)
日本看護協会ビル(写真:的野 弘路)
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 表参道は、けやき並木がつくる落ち着いた雰囲気と、最新のファッションを発信する人々の活力を同時に感じることができる魅力的な街である。ここ数年は海外の有名ブランドの出店が続き、街の表情を急激に変えつつある。そんな海外ブランドのファサードなどが居並ぶ中、日本看護協会ビルは足元にぽっかりと空間を空けて建っている。

「商業建築には目立たなければならないという性があり、壁面線を通り側ギリギリに設け、ショーウインドーを連続させる。そんな中に、気分がほっと和むようなポケットパークがあるとよい。公共に近い施設ならそれが可能になるというデモンストレーションの意味でもその方が面白い。そう考えて計画した」と設計者の黒川紀章氏は説明する。

 壁面を幾らかセットバックさせてポケットパークをつくり、さらに建物の中央を四角くくりぬき、三層吹き抜けの空間を設けた。その奥に向かって上がる大階段が、2階レベルにある二層吹き抜けのテラスに通行客を導く。テラスの先には天井がなく、ガラス壁越しに裏側の原宿の街並みが見えるようになっている。