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 群馬県太田市は自動車産業を中心とした工業都市であり、金型メーカーなど関連企業が数多い。「テクノプラザおおた」はそのような地域特性を生かすことを狙った教育研究施設だ。誘致した群馬大学大学院と、産学連携による研究開発や人材育成を目的にした研究施設からなる。

西側から見る。パンチングメタルに覆われた産学研究棟の3~5階をコミュニケーションテラスとしてている(写真:吉田 誠)
西側から見る。パンチングメタルに覆われた産学研究棟の3~5階をコミュニケーションテラスとしてている(写真:吉田 誠)
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 住宅地の中の都市公園だった敷地であり、道路に沿って産学研究棟と大学院棟をL字型に配置した。「敷地の南側に建てて周辺の民家に十分な光が取れるようにした。また樹木を保存し、オープンな芝生の広場をつくった。指名コンペではこの配置とコミュニケーションテラスが評価された」と設計者の長谷川逸子氏。

 コミュニケーションテラスは、産学研究棟の大きくうねる外壁に覆われている。建物の3階以上の三方を取り囲む広く不成形なバルコニーのことだ。パンチングメタルで包み込み、人々が集えるようにした。パンチングメタルの開口率は35%。内部でも外部でもないような場所にすることを狙って外から人の気配が感じられるように開口率を決めた。

4階西側のテラス。大学院の学生が授業の合間にくつろぐ(写真:吉田 誠)
4階西側のテラス。大学院の学生が授業の合間にくつろぐ(写真:吉田 誠)
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 大学院棟には群馬大学工学部生産システム工学科の研究室などが入っている。一方、産学研究棟には市民が自由に使える市民交流室や市民テラスをはじめ、展示スペースとしても使える市民ワークショップ、研修室、産学共同研究のための機械工作室やCAD/CAM室などを備える。

 市民や技術者、研究者、学生が集い、産学共同研究や市民向けのセミナー、シンポジウム、研究発表などを行う予定だ。コミュニケーションテラスは、セミナーなどを開く際、参加者がくつろぐ場所となる。