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 ローカル5Gを使うには免許を取得する必要がある。一般企業が無線局免許を取得して自社だけに向けて電波を出すのが基本だが、代わりにインテグレーターや通信事業者が免許を取得してローカル5Gネットワークを構築・運用することも可能だ。

 ただし全国でモバイルサービスを提供している全国MNOの6社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの携帯4社とUQコミュニケーションズ、Wireless City Planning)は、ローカル5Gの免許を取得できない。全国MNOの子会社は免許を取得できる。

43の企業・自治体などが免許を申請

 総務省は2020年12月18日にローカル5Gの拡張周波数帯についても免許申請の受け付けを開始。これでローカル5G用の全ての周波数で免許を申請できるようになった。同日、全国の25者から各地域の総合通信局に対して免許申請があった。2019年12月に28.2G~28.3GHzが制度化され免許申請の受け付けを開始した際、初日に申請したのは10者だった。初日の申請者数は約2.5倍に増えた形だ。

 2021年1月25日時点の免許申請者は以下の表の通り。

ローカル5Gの免許申請者および免許人
Sub6とミリ波で申請数は拮抗している。2021年1月25日時点の情報で、本免許・審査中・予備免許を含む。総務省の資料を基に日経クロステック作成。
申請者および免許人Sub6ミリ波申請者および免許人Sub6ミリ波
製造業 /メーカーアンリツ国/地方公共団体国土交通省
エイビット東京都
京セラ徳島県
京セラコミュニケーションシステム大学/研究機関神奈川県立産業技術総合研究所
シスコシステムズ東京大学
東芝インフラシステムズ東京都公立大学法人
トヨタプロダクションエンジニアリングケーブルテレビ事業者秋田ケーブルテレビ
NECケーブルテレビ(栃木県)
日立製作所ジュピターテレコム(JCOM)
日立国際電気多摩ケーブルネットワーク
ひびき精機ZTV(三重県)
富士通ラッキータウンテレビ(三重県)
富士通ネットワークソリューションズ金沢ケーブル(石川県)
三菱電機ケーブルテレビ富山
リコーインダストリー高岡ケーブルネットワーク(富山県)
地域通信事業者/SIerインターネットイニシアティブ(IIJ)となみ衛星通信テレビ(富山県)
NTT東日本愛媛CATV
NTT西日本ハートネットワーク(愛媛県)
NTTコミュニケーションズその他野村総合研究所
QTnet住友商事
GMOインターネット
TIS
ミライト

 合計43者の申請のうち、Sub6とミリ波の内訳はそれぞれ27ずつという情勢だ。ただSub6は受け付け開始からまだ日が浅いため、ややSub6に対する関心のほうが高いと言えるかもしれない。今後は拡張周波数部分も含めて免許の件数が増加していくはずだ。

 上記の表は、既に免許が出たもの、審査中のもの、予備免許のものを含む。各地域の総合通信局に申請してから免許が出るまでの審査期間は標準で1.5カ月となっている。

ローカル5Gの無線局免許を取得するまでの流れ
ローカル5Gの無線局免許を取得するまでの流れ
事前打ち合わせと事前調整は必須ではなく、必要に応じて実施する。
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 2020年12月18日に申請した企業・団体の一部は、設置場所や目的を発表している。目的は技術検証や効果検証、サービス・ソリューションの開発や共創、研究などが目立つ。こうした検証や試験導入を経て本格導入につながり、ローカル5Gを活用した新ビジネスや新サービスも登場するようになるだろう。

 2021年2月9日には、拡張周波数帯で最初のローカル5G免許がNECと富士通に付与された。

 NECは4.7GHz帯のSA(Standalone)構成で、設置場所は東京都港区の本社と川崎市の玉川事業場。Sub6とSA構成のローカル5G免許の付与は全国初である。同社によると、ローカル5G関連サービスの高度化、体験デモの実施、顧客と連携した新ビジネスの創出を加速させるという。

 富士通は28GHz帯の拡張周波数を使用し、NSA(Non Standalone)構成を採用。設置場所は栃木県小山市の小山工場である。28GHz帯の拡張周波数における初の免許付与となる。用途はローカル5Gを活用したコネクテッドファクトリーの実践である。同社は4.7GHz帯に関しても免許を申請した。

2021年2月9日に関東総合通信局で開催された免許状交付式の様子
2021年2月9日に関東総合通信局で開催された免許状交付式の様子
(撮影:日経クロステック)
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