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 しかしネットワークの物理網を作る管路は、あらゆる家庭や拠点をフルメッシュで結ぶ構成になっていない。APNでは、こうした物理網の制約に合わせつつ、論理的な光パスをフルメッシュで構成できるようにしていく。

 NTTが考案するのが、光ファイバーの物理網を、エンドユーザーに近いローカル面と、各地域のローカル面を集約するコア面に分割し、ローカル面、コア面それぞれで、物理網を構成。その上でエンド・ツー・エンドの光パスを論理構成するというアーキテクチャーだ。

電気処理をほぼ用いないフォトニック・ゲートウエイで光パスの波長を管理
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電気処理をほぼ用いないフォトニック・ゲートウエイで光パスの波長を管理
フォトニック・ゲートウエイ(Ph-GW)が持つ5機能を示した(図:NTTの資料を基に日経クロステックが作成)

 論理的な光パスをエンド・ツー・エンドで構成するためには、ローカル面とコア面をつなぐ交換装置が必要になる。その役割としてNTTは、波長単位で光信号をスイッチングできる光クロスコネクト(OXC:Optical Cross Connect)を進化させた、「フォトニック・エクスチェンジ(Ph-EX)」という装置を検討する。使用する波長帯が異なる波長分割多重方式などもPh-EXに直結し、大量の光パスをそのままスイッチングできるようにする装置だ。

 エンドユーザーとローカル面を結ぶ接続点には、「フォトニック・ゲートウエイ(Ph-GW)」という光ノードを置く。Ph-GWは、波長の割り当てや制御、集線機能のほか、エンドユーザーが利用する任意の波長の光信号を加えたり(add)、取り出したり(drop)する機能をもたせる。

 波長制御は、ユーザーの使用する波長を指定・制御・監視する機能だ。波長制御機能は、「使いたい時に使いたい波長を設定し、使わなくなったら波長を回収する。そのようなオンデマンドの使い方ができる」(アクセスサービスシステム研究所 光アクセス基盤P PM主幹研究員の吉田智暁氏)。その他に、(Ⅱ)光信号の集線・分配、(Ⅲ)光信号の取り出し・挿入、(Ⅳ)折り返し、(Ⅴ)通過・停止といった機能がある。

 NTTによるとAPNの要素技術であるPh-EXやPh-GWは既に確立しつつあるという。実証実験のレベルでは現状でも動作可能であり、2024年には導入可能な段階まで研究開発を仕上げていきたいという。