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 三井住友銀行(SMBC)はこれから構築する「次期勘定系システム」の次も見据える。システムの開発や運用を担う人材をグループ内でまかなう方針を次々世代でも貫くため、勘定系の業務や技術に関するスキルの継承に取り組む。

 同行は勘定系システムの構築や運用を、原則として内製でまかなう。システムの企画を三井住友銀行、開発を日本総合研究所(日本総研)、運用を日本総研情報サービスがそれぞれ担う。日本総研は三井住友フィナンシャルグループが全額出資している。次世代勘定系システムの構築プロジェクトに参加する人数は3社合計で100人超だ。

勘定系システムに携わる人材の育成やスキル継承の枠組み
勘定系システムに携わる人材の育成やスキル継承の枠組み
(出所:三井住友銀行の資料を基に日経クロステック作成)
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 今回のプロジェクトには、三井住友銀が「第4次オンライン」と呼ぶ現行勘定系システムの構築に携わった人材が参加。主に業務を中心にした勘定系のスキルをリーダーや若手の人材に継承する。同行はこれまでも大型プロジェクトのたびに、同様の枠組みで「勘定系スキル」を継承してきた。

 「4次オンを経験したベテラン人材が参画し、スキルを継承する最後のチャンス」。三井住友銀の西孝芳システム統括部部長は人材の育成やスキル継承の観点から、次期勘定系システム構築プロジェクトをこう位置付ける。技術スキルや業務知識を備えた人材が不足して基幹システムの維持が困難になり、既存業務の強化はおろかデジタルトランスフォーメーション(DX)も困難になる。「2025年の崖」と称される構造的な問題を解決するため、プロジェクトを人材育成の場としても生かす。

 勘定系システムに使うプログラミング言語に通じた人材も育成する。三井住友銀はCOBOLを基にNECが独自開発したプログラミング言語「IDL II(ツー)」を使っている。パラメーターを日本語で設定できるなど「可読性が高く、プログラミング経験がなくても習得しやすい言語だ」(同行の栗原輝システム統括部次世代勘定系システムグループグループ長)。

 三井住友銀は若手の行員を2年間、日本総研に出向させてIDL IIを学ばせた。勘定系システムを担う人材のすそ野を広げると同時に、システム部門などの専門家についてはJavaやCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)といったオープン系の開発スキルの習得を進める。メインフレームとオープンの「両利き人材」(栗原グループ長)を育成し、2025年の崖の先を目指す。