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 新しい働き方の確立を目指す企業では、出社前提で存在していた人事制度も大幅な見直しが進む。「人に仕事を割り当てる」という一般的なメンバーシップ型の人事制度から、「仕事を明確にした上で人を割り当てる」というジョブ型の人事制度へ移行する企業も多い。アフラック生命保険、KDDI、日立製作所、富士通といった企業がそうだ。人事関連で他の施策としては研修体制の整備も挙げられる。

 ジョブ型の人事制度へ移行している企業のうち⽇⽴製作所は2020年度中に、役割や責任、必要な経験やスキルといった内容をまとめた職務記述書のひな型を作成して、2021年度から業務の現場で活用していく。ひな型は社内の職種や役職などに応じて300~400種類を作成する見込みだという。

 日立製作所は2020年春以降、新型コロナ対策で大規模にテレワークに取り組んでいる。その中で社員3万人にアンケート調査を実施したところ、在宅勤務を継続したいという回答が5割以上を占める一方、「役割や業務分担の明確化が業務効率向上には必要」という課題を指摘する回答も多かった。

 ジョブ型の人事制度はこの課題の解決策になると日立製作所はみている。同社の岩田幸大人事勤労本部ジョブ型人財マネジメント推進プロジェクト企画グループ長は「ジョブ型では社員が担う業務の役割が明確になるので、在宅勤務で指摘された課題を解決できる。新常態の働き方を推進していく上でも、ジョブ型の取り組みを加速させていく」と意欲を見せる。

 日立製作所は職務記述書の活用と合わせて、年度ごとに社員が業務の目標を設定して達成を目指す仕組みや、日々取り組む仕事などを見極める1on1ミーティングの運用も進めて、社員を支援していくという。

減った通勤時間を活用して学ぶ

 人事関連の取り組みではこの他、損害保険ジャパンや富士通がオンラインの社員向け教育研修体制を整える。

 損害保険ジャパンは2020年10月、約2万5000人の社員がオンラインで学べるようにするため企業内大学「損保ジャパン大学」を設立した。それまで社内で提供してきた動画を含めたeラーニングのコンテンツを一元管理して利用しやすくする他、日々の業務の中では習得が難しい分野について学ぶ「ゼミナール」や、社内外から講師を招くオンライン講義の「SOMPO LIVE」なども用意している。

損害保険ジャパンが設立した企業内大学「損保ジャパン⼤学」の画⾯。社員が研修や学習コンテンツに手軽にアクセスできる
損害保険ジャパンが設立した企業内大学「損保ジャパン⼤学」の画⾯。社員が研修や学習コンテンツに手軽にアクセスできる
(出所:損害保険ジャパン)
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