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 とはいえ、「シンギュラリティ主義者(シンギュラリタリアン)」たちが指摘するように、指数関数的な傾向はその渦中にいると見えづらいものだ。

 カーツワイルとその支持者たちは、私たちが今いるのは、前回の図のような指数曲線でゆっくりと増加している位置だという。そのため進歩は緩やかに見えるがそれは見せかけであって、爆発的な成長がすぐ目の前に迫っているのだそうだ。

 現在のAIの春は多くの人が指摘するように、近づきつつある爆発的な成長の初めての兆しなのだろうか?それとも、実現まで少なくてもあと100年はかかりそうな、人間レベルのAI開発のひどく緩やかな成長曲線の一通過点にすぎないのだろうか?あるいは、またAIバブルが起きて、その後すぐにAIの冬が再びやってくるのだろうか?

 こうした疑問に答える手がかりを探るためには、人間の特徴的な知性の根底にある、知覚、言語、意思決定、常識的な推論、学習といった極めて重要な能力を注意深く見ていかなければならない。

原注(原書注釈)1 M. Dowd, “Elon Musk’s Billion-Dollar Crusade to Stop the A.I. Apocalypse,”Vanity Fair, March 26, 2017.
原注2 L. Grossman, “2045: The Year Man Becomes Immortal,” Time, Feb. 10,2011.
原注3 シンギュラリティ大学ウェブサイトより(2018年12月4日閲覧)。https://su.org/about/.
原注4 Kurzweil, Singularity Is Near, 316.
原注5 R. Kurzweil, The Age of Spiritual Machines: When Computers Exceed Human Intelligence (New York: Viking Press, 1999), 170.(翻訳版はレイ・カーツワイル『スピリチュアル・マシーン コンピュータに魂が宿るとき』2001年、翔泳社)
原注6 D. R. Hofstadter, “Moore’s Law, Artificial Evolution, and the Fate of Humanity,” in Perspectives on Adaptation in Natural and Artificial Systems, ed. L. Booker et al.(New York: Oxford University Press, 2005), 181. 原注7 Kurzweil, Age of Spiritual Machines, 169-70.
原注8 Hofstadter, “Moore’s Law, Artificial Evolution, and the Fate of Humanity,”182.
原注9 Long Bets website: longbets.org/about.
原注10 Long Bets website, Bet 1: longbets.org/1/#adjudication terms.
原注11 Ibid.
原注12 Ibid.
原注13 Kurzweil, “Wager on the Turing Test.”
原注14 M. Kapor, “Why I Think I Will Win,” Kurzweil AI, April 9, 2002, http://www.kurzweilai.net/why-i-think-i-will-win.
原注15 Ibid.
原注16 R. Kurzweil, foreword to Virtual Humans, by P. M. Plantec (New York: AMACOM, 2004).
原注17 Grossman, “2045.”