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営業や事務、法務などの担当者からなるチームを結成

 SMFLは2020年6月、リース審査申込や契約を電子化する新しいDXプロジェクトを立ち上げて、2020年7月から本格的に新システムであるSECOND+電子契約の開発に着手した。「営業や事務など、社内の様々な部門から協力を得てプロジェクトを立ち上げられた」と軍司健クオリティ室ブラックベルトは明かす。具体的には、「営業クラスタ」「事務クラスタ」「開発クラスタ」「専門家クラスタ」と呼ぶ4つのチームからなるプロジェクトを立ち上げた。

 営業クラスタは営業担当者が中心で、サプライヤーなどへヒアリングして電子契約などに関するニーズを把握したり、新システムなどをサプライヤーに使ってもらえるようにするプロモーションを検討したりする。事務クラスタはそれまで紙ベースだった契約手続きを電子化することに伴う事務プロセスの見直しなどを主に行う。

 開発クラスタはSECOND+電子契約の開発を担当する。SECOND+電子契約は、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)と弁護士ドットコムの合弁会社であるSMBCクラウドサインが提供する電子契約サービスと連携して機能する。法務担当者などからなる専門家クラスタは、リース契約の電子化に伴う法律面での問題などをスムーズに解決できるように設置した。

契約だけでなく事前審査の電子化も促進

 プロジェクト開始当初、営業クラスタの担当者がサプライヤーなどにヒアリングを実施したところ、契約などの電子化に対するニーズは高いことを確認できた。サプライヤーの担当者からは「顧客企業を訪問して、リース審査申込のための書類に記入してもらうことが難しくなってきた」「販売契約の電子化を進めているが、リース契約だけが紙文書なので解消したい」といった声が得られた。

 そこで、DXプロジェクトではリースの審査申込と契約のそれぞれで電子化を進めることにした。2020年9月頃まで重点的に取り組んだのが、リースの審査申込の電子化促進だ。まだファクスで審査申込をしているサプライヤーに対して、既にあるSECOND PLUSの利用をSMFLが提案することにした。

三井住友ファイナンス&リースがサプライヤー向けに提供しているWebシステム「SECOND PLUS」の画面例
三井住友ファイナンス&リースがサプライヤー向けに提供しているWebシステム「SECOND PLUS」の画面例
(出所:三井住友ファイナンス&リース)
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 SECOND PLUSの特徴は自動審査機能を備えている点だ。ファクスで申し込んでから審査を終えるまでに1日から数日はかかっていたが、この機能を使うと平均して数十分で審査が終えられる。DXプロジェクトはこうした特徴を持つSECOND PLUSを、まだ利用していないサプライヤーに提案していった。並行して、SECOND PLUSで審査にパスした後、スムーズに電子契約へ移れるように、新システムをSECOND PLUSと連携させた。

契約内容の確認画面はローコードプラットフォームで開発

 SECOND+電子契約の開発でも工夫を凝らしている。顧客企業の担当者が違和感なく電子契約ができるように、新システムでは、紙の契約書と同じようなレイアウトの画面上で、契約内容を確認できるようにした。

 顧客企業の担当者向け画面の開発に当たっては、「迅速で小回りが利く開発を目指して、プログラミングをほとんどせずに画面などを開発できるローコードプラットフォームを使っている」とデジタル開発室の森谷聡史スペシャリストは説明する。ローコードプラットフォームについては当初、海外製品を採用して整備することも検討したが、「柔軟性高く開発できるように当社で独自にプラットフォームを開発した」(デジタル開発室の藤原雄室長)という。

 今後についてSMFLリテールリーシング部門の原田浩次執行役員(副責任役員)は「営業クラスタのメンバーを中心に頑張ってもらい、サプライヤーやエンドユーザーに広げていきたい」と意気込みを語る。