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 大手の値下げで競争が激化する携帯電話市場。格安スマホを手掛けるMVNO(仮想移動体通信事業者)は生き残りをかけ、独自色の打ち出しに腐心する。

 USEN-NEXT HOLDINGSとヤマダホールディングスが出資するY.U-mobile(東京・品川)が「y.u mobile」で強みとするのが、動画配信サービス「U-NEXT」を組み込んだ「シェアプラン」だ。音声SIMの料金は月間データ通信量が20ギガバイトで月4378円(税込み、以下同)。通信量は最大4人でシェアすることが可能で、SIMカードの2枚目は追加料金なし、3枚目と4枚目は月1100円で追加できる。

y.u mobileのシェアプラン
y.u mobileのシェアプラン
出所:Y.U-mobile
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 やや割高に映るが、同料金にはU-NEXTの月額料金2189円が含まれ、同じく最大4人まで個別に視聴できる。さらに1200円相当のポイントが毎月付与され、電子書籍を含めた有料コンテンツの購入やデータの追加チャージに使える。U-NEXTの会員数は200万件超。エンタメを基軸に家族契約を取り込んでいく考えだ。現状、U-NEXTを組み込んでいるのはシェアプランだけだが、「今後は(SIMカードが1枚の)シングルプランにも付ける方向で検討している」(Y.U-mobileの鹿瀬島礼代表取締役)。

 コストがかかる対面販売の強化に苦労するMVNOが多いなか、店舗を最大の差異化要素とするのが「イオンモバイル」を展開するイオンリテールである。「携帯大手のショップは販売代理店の運営が中心だが、我々は全国に200店以上の直営店を持つ。今後大きな強みになると思っている」(イオンリテール住居余暇本部イオンモバイルユニットの井原龍二イオンモバイル商品マネージャー)。

 イオン店舗では契約前の1週間無料貸し出しや故障時の代替機提供も手掛ける。GoogleアカウントやLINEの設定、電話帳の移行も有料で支援する。同社は今後、「グループシナジーを生かした取り組みも進めていきたい」(井原マネージャー)としている。店舗での買い物やイオンカードなどと組み合わせたサービス展開に期待がかかる。