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 人の操縦を前提としないレベル4~5の自動運転機能は、ライドシェアといった移動サービスでの利用が主要な適用先と目されていた。しかし、現在、新型コロナ禍によって移動サービスへの需要は減っている。代わりに需要が急増したのが、物流向けの自動運転技術である。同技術であれば、人手不足の解消や人との接触機会を削減できるからだ。適用先は大きく2つある。1つは、配送拠点や店舗から自宅やオフィスという、いわゆるラストワンマイル部分。もう1つは、物流施設から別の物流施設、あるいは物流施設から配送拠点や店舗といった拠点間の輸送である。後者は、ルートはほぼ固定で、かつ高速道路の移動が長く、自動運転技術を適用しやすい。

 この結果、2020年は物流向け自動運転技術の開発が米国では盛んに行われた。このうち、特に目立つ存在が米Nuro(ニューロ)である。物流施設から店舗、店舗から個人宅まで、一気通貫で配送できる自動運転技術を有する。カリフォルニア(加)州の車両管理局(DMV)の2020年度の自動運転試験報告書で好成績を収めている。同年度の自動運転継続平均距離注1)は約8100kmと8位につけた。

注1)報告書の中で、各社の自動車技術を推定する指標の1つが、「離脱(Disengagement)」せずに自動運転機能だけで走行できた平均距離である。本記事では、「自動運転継続平均距離」とする。離脱とは、自動運転車の運転席にいるテストドライバーの判断で自動運転機能をオフにしたり、同機能が判断に迷ってテストドライバーに運転を引き継がせたりすることを指す。自動運転継続平均距離は、過去1年間で各試験車両が離脱した回数の合計を、自動運転による走行距離の合計(総走行距離)で割った値である。
カリフォルニア州パロアルトで停車中のNuroの自動運転用試験車
カリフォルニア州パロアルトで停車中のNuroの自動運転用試験車
プリウスを改造している。(撮影:日経クロステック)
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21年2月に加州DMVが発表した、20年度(19年12月~20年11月)に各社が実施した公道試験結果をまとめた表
21年2月に加州DMVが発表した、20年度(19年12月~20年11月)に各社が実施した公道試験結果をまとめた表
自動運転継続平均距離は単位をマイルからkmに変換後、上から4桁目を四捨五入した値で、伸び率は小数点第3位を四捨五入した値。総走行距離は単位をマイルからkmに変換後、1万km以上では上から5桁目を、1万km未満では上から4桁目を四捨五入した値で、伸び率は小数点第3位を四捨五入した値である。(データ出所:DMV、表の作成:日経クロステック)
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