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 カーボンニュートラル*1の実現(脱炭素社会)を目指し、さまざまな企業で技術開発が進んでいる。温暖化ガスの発生を抑える技術だけではない。温暖化ガスを利用・消費する技術にも注目が集まっている。そして今、温暖化ガスを利用・消費する技術として有望視されているものに「メタネーション」がある。

*1 カーボンニュートラル 温暖化ガスの排出と吸収(または除去)を調整し、排出量と吸収量をほぼ等しくすることで、大気中の炭素濃度を一定に抑えようとする試み。炭素中立とも表現する。

 メタネーションは、二酸化炭素と水素を利用し、メタンを生成する技術だ。メタンは天然ガスの主成分であり、住宅の都市ガスなどとして利用されている。再生可能エネルギーを使って生成した水素と、大気中に含まれる二酸化炭素を利用してメタンを生み出せるようになれば、脱炭素社会を支える重要な技術になる。

 ただし、課題もある。既存手法のメタネーションでは水素と二酸化炭素を利用したメタンの生成などの工程で熱が逃げてしまい、エネルギーの損失が発生してしまうのだ(図1)。そのため、投入したエネルギー量の55~60%ほどのメタンしか得られない。

図1 メタネーションによるエネルギー変換効率
図1 メタネーションによるエネルギー変換効率
既存手法では投入したエネルギー量の55~60%分のメタンしか生成できなかったという。(出所:大阪ガス)
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