建物をVR(仮想現実)空間に3D(3次元)モデルとして再現し活用する動きが活発化している。VRの技術を活用するには従来、高価な専用機材やソフトが必要だった。だが昨今、低価格な機材やソフトの登場でハードルが下がったのが要因の1つと考えられる。そのVR技術の中で注目しておきたいのが「フォトグラメトリー」だ。手軽に3Dモデル化に挑めるため、VRの世界の基礎を学ぶのに適している。この連載では、実際に自分の手で3Dモデルを作成できるように、フォトグラメトリーの基本的なノウハウを紹介する。

連載
今日から始める建築VR!フォトグラメトリー入門
目次
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VR建築をスマホで持ち歩く、フォトグラメトリーのデータ共有術
フォトグラメトリーで作成した3Dモデルを第三者と共有するために、Webサービスを利用するのは1つの手だ。用意する3Dデータや、使用するサービスの種類にはどのようなものがあるのかなど、公開するための基礎知識を解説する。複数の3Dモデルを活用すれば、仮想空間の展示場といった使い方も可能だ。
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建築のプチVRが30分で完成、アライメント失敗は撮り直しの覚悟も
フォトグラメトリーで簡易な3Dモデルの作成に挑戦。イタリア・3Dflow社のソフト「3DF Zephyr」を使い、50枚の写真から和室の一部をVR化した。きれいに生成するコツは写真の点群データ化とテクスチャーの処理にある。その手順を紹介する。
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成功の秘訣は「ほどよい特徴点を一筆書き」、室内の鏡面や単色は避ける
いよいよ作業ノウハウの解説に話を進める。フォトグラメトリーの場合、写真撮影に関する注意点がとても重要だ。部屋の内部の3Dモデル化を事例に、フォトグラメトリーが苦手とする対象物や写真撮影の流れなどのポイントについて、動画を交えながら説明する。
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初期費0円で挑戦、写真からつくる3D「フォトグラメトリー」をやるなら?
数あるVR(仮想現実)技術の中でも手軽に挑戦できる技術として注目しておきたい「フォトグラメトリー」。簡易な3D(3次元)モデルであれば所有するパソコンやデジタルカメラで試せるのが利点だ。その機材として、どの程度の性能を想定しておけばよいか。パソコン、デジカメ、ソフトウエアの3つについて解説する。
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建築のVR化で顧客対応に新潮流、うり二つを仮想空間につくる
新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、建物をVR(仮想現実)空間に再現して顧客との接点を増やす企業が増えている。従来とは異なる顧客対応の手法の開拓が課題となっているからだ。中でも、対面での顧客対応が多い住宅業界は、さまざまな手法を模索している。