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 数あるVR(仮想現実)技術の中でも手軽に挑戦できる技術として注目しておきたい「フォトグラメトリー」。簡易な3Dモデルであれば所有するパソコンやデジタルカメラで試せるのが利点だ。本連載では、VR事業などを手掛けるPsychic VR Lab(東京・新宿)の一岡洋佑氏が、フォトグラメトリーを使った3Dモデル作成のノウハウを解説する。今回のテーマは「作成した3Dモデルを第三者と共有する方法」だ。(日経クロステック)

 作成した3Dモデルをどうやって第三者に見てもらうか、悩む読者も少なくないだろう。今回は、3Dモデルの共有方法について解説していこう。

 最も簡単なのは、作成した3Dモデルのデータを相手に送信して、パソコンにインストールされているビューワーで閲覧してもらう方法だ。Windows 10のパソコンであれば、「3Dビューワー」というアプリが標準で搭載されている。

Windows 10のパソコンには、標準でアプリの「3Dビューワー」が搭載されている。画像は、「3DF Zephyr」(イタリア3Dflow社)で作成した3DモデルのデータをGlb形式で出力し表示した例。テクスチャーを描画するように別途指定している(出所:日経クロステック)
Windows 10のパソコンには、標準でアプリの「3Dビューワー」が搭載されている。画像は、「3DF Zephyr」(イタリア3Dflow社)で作成した3DモデルのデータをGlb形式で出力し表示した例。テクスチャーを描画するように別途指定している(出所:日経クロステック)
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 ただ、3Dモデルのデータ量が大きかったり、複数の3Dモデルを見せたかったりするのには不便な点が多い。このような場合は、Webサービスの利用を検討したい。作成した3DデータをWebサービス上にアップロードしておけばWebブラウザーで閲覧可能だ。手軽に第三者とデータを共有でき、いつでも、どこからでも利用できる利点もある。設計事務所や工務店に勤めている人が、施工例を3Dモデル化して顧客に手軽に見てもらいたいという目的であれば、Webサービスは活用しやすい。Web上に複数の3Dモデルを保存しておけば、スマートフォンで建築事例集を持ち歩くといった使い方もできる。

 3Dモデルを対象としたWebサービスはさまざまなものがある。例えば、世界中で利用者が多い「Sketchfab https://sketchfab.com/ 」はその1つだ。特別なソフトを必要とせず、Webブラウザーで3Dモデルを閲覧できる。

 Webサービスの場合、単に3Dモデルを閲覧するだけでなく、VRやAR(拡張現実)といった技術を活用することもできる。例えば、「STYLY https://styly.cc/ja/ 」では、スマホの専用アプリを使ってVRやARモードで3Dモデルを実際の空間内に表示できるほか、VRヘッドマウントディスプレー(HMD)と連携して体感することも可能だ。

 第三者に3Dモデルのデータを共有する際には、自分がどのように活用したいかを考えながら手法を選ぶとよいだろう。

3Dモデルを第三者と共有し閲覧する方法は大きく2通りある。パソコンにインストールされている3Dビューワーを使用する方法と、Webサービスを利用してWebブラウザーで閲覧する方法だ。Webサービスは表に掲載したもの以外にも数多くある。目的にあったサービスを利用したい(出所:一岡 洋佑)
3Dモデルを第三者と共有し閲覧する方法は大きく2通りある。パソコンにインストールされている3Dビューワーを使用する方法と、Webサービスを利用してWebブラウザーで閲覧する方法だ。Webサービスは表に掲載したもの以外にも数多くある。目的にあったサービスを利用したい(出所:一岡 洋佑)
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3つのステップで完了

 Webサービスに作成した3Dモデルをアップロードし活用する手順は、主に次の3つのステップに分かれる。(1)フォトグラメトリーのソフトから3Dモデルのデータをファイルに出力。(2)利用するWebサービスに3Dモデルのデータをアップロード。(3)アップロードしたデータを公開処理し、3Dモデルごとに作成されるURLを閲覧してもらいたい人に伝えて共有する。この手順を詳しく追っていこう。

 最初に、フォトグラメトリーのソフトで作成した3Dモデルを出力する手順だ。本連載ではフォトグラメトリーの入門に適したソフトとして、「3DF Zephyr」(イタリア3Dflow社)の無料版を使用して説明しているので、同ソフトで例を示す。