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 「(楽天モバイルやKDDIが提供する)0円から利用できる料金プランを当社が提供するつもりはない。MVNO(仮想移動体通信事業者)との座組が低料金にフィットする。料金の低廉化競争はお互いが消耗するだけ。付加価値に結びつけることが大事だ」――。

「料金の低廉化競争はお互いが消耗するだけだ」と語ったNTTドコモ社長の井伊基之氏(中央)
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「料金の低廉化競争はお互いが消耗するだけだ」と語ったNTTドコモ社長の井伊基之氏(中央)
(出所:NTTドコモの会見の様子をキャプチャー)

 NTTドコモ社長の井伊基之氏は2021年11月10日に開催した同社の決算会見で、このように言い放った。携帯電話市場ではここに来て「0円競争」が広がりつつある。月1Gバイトまでを0円で利用できる楽天モバイルの料金プランを皮切りに、KDDIもオンライン専用プラン「povo2.0」において基本料金0円から利用できるプランを投入した。このような動きに対してドコモは一線を画すると宣言した格好だ。

 低料金プランについてNTTドコモは、提携するMVNOのプランを全国のドコモショップで取り扱う「エコノミーMVNO」で対応するとした。

 ソフトバンク社長執行役員兼CEO(最高経営責任者)の宮川潤一氏も21年11月4日に開催した決算会見にて「ネットワークを維持するには24時間365日の監視が必要。運用コストをまかなえなくなるような料金プランまで踏み込む考えはない」と説明。0円競争に踏み込まない考えを示した。携帯4社の間で対応の違いが出てきている。

 NTTドコモのオンライン専用プラン「ahamo」は引き続き好調に推移している。井伊氏によると「現在、200万契約を超えて、順調に増加している」という。競合するKDDI「povo」やソフトバンクの「LINEMO」に対し、ahamoは契約件数で大きくリードしている。

 ahamoは、これまで流出する一方だったNTTドコモの顧客基盤を維持、さらには拡大する役割を担う。しかしNTTドコモの解約率は大きく下がってはいない。NTTドコモの21年9月末時点の携帯電話サービス解約率は0.53%と、前四半期の0.58%から若干改善した程度だ。井伊氏は「本当はもっと下がるかなと思ったが、実態はこの通り。競争が激化しているということにつきる」と説明。総務省が進めてきた違約金や縛り条件の撤廃が効果を発揮し、携帯電話市場で顧客の流動性が高まりつつあることを示している。