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 NTTドコモが携帯電話用の電波の割り当て方式について、欧米諸国が採用する「オークション制度」導入に前向きな姿勢へと方針転換することが分かった。2021年11月16日の夕方に総務省が開催する有識者会議に同社社長の井伊基之氏が出席し、電波割り当て方式の見直しの方向性について意見する予定。これまで国内携帯各社は、オークション制度について導入反対の立場を取ってきた。NTTドコモの新たな方針は大きな転換といえる。

NTTドコモはこれまでの方針を転換し、オークション制度導入に向けて前向きな姿勢を表明することが判明した
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NTTドコモはこれまでの方針を転換し、オークション制度導入に向けて前向きな姿勢を表明することが判明した
(撮影:日経クロステック)

 NTTドコモが意見表明するのは、総務省が21年10月に開始した有識者会議「新たな携帯電話用周波数の割当方式に関する検討会」においてである。同検討会は、携帯電話向けの電波利用ニーズが急速に高まる中、電波を公平かつ効率的に割り当てる方式を検討する目的で始まった。欧米など諸外国で導入が進むオークション制度についても議論になっている。

 国内の携帯電話用の電波割り当ては現在、審査項目に基づき事業計画を評価して割当先を決定する「比較審査方式」を採用している。19年の電波法改正では、審査項目の一つとして、電波の経済的価値を踏まえた周波数の評価額が追加された。

 比較審査方式は、諸外国のオークション制度でみられる巨額な落札費用がかからない一方、行政による裁量の余地が大きく、電話割り当ての透明性の確保や、迅速な割り当てが課題とされてきた。

 また政府による携帯料金の引き下げ要請の根拠として、公共の電波を比較審査方式で安価に割り当てていることも理由の一つとして挙げられていた。NTTドコモは、このような現行制度の課題を踏まえて方針転換するとみられる。

 オークション制度導入の是非については、民主党政権下の2011年にも総務省で議論が進められた。その際、NTTドコモを含む携帯各社はオークション制度について「落札額が高騰した場合、インフラ整備が遅れる可能性がある」「利用者料金が高騰する可能性がある」などと反対意見を表明。最終的に導入が見送られた経緯がある。