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 NTTドコモは2021年12月13日、5G専用のコア設備(5GC)を使った5G SA(Stand Alone)方式の商用サービスを開始したと発表した。5G SAとは、すべての設備を5G専用で動作させることで、5Gの真の能力を生かせると期待されている導入形態だ。まずは法人顧客向けに専用データ端末を用いてスタートし、22年夏から一般顧客にも対象を広げる計画だ。

まずは21年12月から法人顧客を対象に5G SA方式の商用サービスを開始。22年夏には一般顧客にも対象を広げる計画だ
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まずは21年12月から法人顧客を対象に5G SA方式の商用サービスを開始。22年夏には一般顧客にも対象を広げる計画だ
(出所:NTTドコモ)

 5G SA方式によって、これまでの超高速・大容量に加えて、超低遅延、多数同時接続といった機能も実現できるようになる。1つのネットワークを、用途に応じて仮想的に分割する「ネットワークスライシング」のような機能も5G SA構成を導入することで初めて可能になる。

 これまでの5Gサービスは、NSA(Non-Stand Alone)方式と呼ばれる構成であり、コア設備は4G設備を流用していた。コア機能は4Gネットワークの範囲を超えることができず、5Gの真の実力を発揮できなかった。

 NTTドコモはSA方式のサービスを法人顧客を対象に開始する。SA方式によって、スループット向上や低遅延化、通信安定化などを、用途に応じて柔軟にカスタマイズできる。こうした機能は法人顧客のニーズが高いからだ。

 法人顧客向けにSA方式に対応した専用データ端末を用意。まずは41社の法人顧客とSAの利用に向けた準備を進める。「法人顧客と話しながら、面的ではなく限定されたエリアからスタートする」(NTTドコモ 5G・IoTビジネス部ビジネス企画担当部長の岩本健嗣氏)という。

アニメ制作会社であるカラーとの取り組みでは、SA方式を活用しアニメ作画のリモート化を図る計画だ
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アニメ制作会社であるカラーとの取り組みでは、SA方式を活用しアニメ作画のリモート化を図る計画だ
(出所:NTTドコモ)