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 ソフトバンクが2022年2月3日に発表した2021年4~12月期連結決算(国際会計基準)は売上高が前年同期比9.6%増の4兆1738億円、営業利益が同2.4%減の8212億円と増収減益だった。通期の業績予想に対する進捗率は売上高が76%、営業利益が84%。宮川潤一社長執行役員兼CEO(最高経営責任者)は同日の決算説明会で、「営業利益は少なくとも過去最高益を達成できる見込み。今は中長期の戦略に向けたプランニングに費やしている」と余裕を見せた。

2022年3月期は過去最高益を達成できる見込み
2022年3月期は過去最高益を達成できる見込み
(出所:ソフトバンク)
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 振り返れば、2022年3月期は厳しいスタートだった。1年間無料キャンペーンが終了する楽天モバイルへの駆け込み需要やNTTドコモのオンライン専用ブランド「ahamo」の快進撃などで解約率が悪化。いまだにこだわり続ける純増数も一時的に落ち込んだ。この状況からようやく脱しつつある。

落ち込んでいた純増数が徐々に回復してきた
落ち込んでいた純増数が徐々に回復してきた
(出所:ソフトバンク)
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 反転攻勢の主役はワイモバイルだ。「他社からの流入が好調で、純増のけん引役となっている。2022年に入ってからも順調。ようやくソフトバンクらしさが戻ってきた」(宮川社長)。4~6月期に1.01%まで悪化したスマホの解約率も7~9月期に0.91%、10~12月期に0.88%と徐々に改善傾向にある。

 もっとも、主力の「コンシューマ事業」は厳しい状況に変わりはない。4~12月期の売上高こそ端末販売の回復で前年同期比3%増を記録したものの、営業利益は値下げの影響などで同10%減。値下げのマイナス影響は4~12月期で490億円に達し、通期では「700億円を少し超える水準としていた見通しの範囲内」(宮川社長)とした。