楽天モバイルは2022年2月4日、自社で展開する4Gネットワークの人口カバー率が96%に到達したと発表した。同社は携帯電話事業に参入した18年4月当初、人口カバー率96%の達成時期を26年3月末としていた。約4年前倒しで計画を達成したことになる。自社エリアが広がることで、同社の財務の悪化を招いているKDDIとのローミング(相互乗り入れ)の早期打ち切りが可能になる。業界内では同社が22年の春商戦で顧客獲得のアクセルを踏むという見方が出ている。
サービスの立ち上げ時期には基地局整備の遅れから繰り返し行政指導を受けていた楽天モバイルだが、ここに来て「月3000~4000局ペースで基地局を増やしている」(同社の矢澤俊介副社長)など基地局展開を加速していた。
同社が自ら展開する4Gネットワークは21年10月時点で人口カバー率は94%を超えた。21年10月には、KDDIとのローミング契約の打ち切り地域を、それまでの16都府県から39都道府県に広げていた。
当初、楽天モバイルは人口カバー率96%の達成時期を21年夏ごろと、さらに前倒しした時期を目標にしていた。しかし世界的な半導体不足の影響で、基地局のアンテナ部品の一部納入が遅れ、人口カバー率96%の達成時期を22年前半としていた。
楽天モバイルとKDDIのローミング契約の更新タイミングは10月と4月の年2回。楽天モバイルは人口カバー率が当初目標の96%に到達したことを受け、次の22年4月のタイミングで、さらに広範な地域でローミングオフに踏み切ると想定される。