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 NTTドコモやKDDI(au)、ソフトバンクが5G(第5世代移動通信システム)の商用サービスを2020年3月にスタートさせて1年余り。楽天モバイルも2020年9月に開始して、国内の携帯電話会社による商用サービスが出そろった。今や各社のスマートフォンの品ぞろえは5G対応機種が主役だ。従来の方式を圧倒する高速・大容量の無線通信が可能になるとのうたい文句に魅力を感じ、5G端末に乗り換えたスマホユーザーは少なくないだろう。

 もっとも、現在の5Gサービスは発展途上の段階だ。スマホ画面の「アンテナピクト」の横に「5G」と表示されていても、体感的な通信速度が従来と大差ないケースは結構ある。待ち受け時には「5G」だったピクト表示が、通信を始めた途端に勝手に4Gに切り替わってしまう現象も見受けられる。超高速サービスを期待していたユーザーは「確かに速くなった気がする」「こんなはずではなかった」などと一喜一憂し、心にモヤモヤを抱えているはずだ。

5G通信のスピードテスト結果に一喜一憂
5G通信のスピードテスト結果に一喜一憂
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 そんな5Gサービスのモヤモヤ解消を目指している本特集。最初に取り上げるモヤモヤは、ちまたで噂の「なんちゃって5G」問題である。

 “なんちゃって”の部分に少々皮肉が込められているが、簡単に言えば既存の4G向けの電波を使って5G方式でデータ通信するサービスのことだ。なんちゃってではない5Gや従来の4Gと何が違うのか。今回、スマホ上のスピードテストを実施して確かめてみた。

 まず本題に入る前に“なんちゃって”の由来を知っておこう。そもそも5Gサービスは、5G専用に割り当てられた周波数帯の電波を使って通信エリアを作る。この専用周波数は高速通信が得意だが遠くまで届きにくい特性を持つ。そのためエリア整備に時間がかかるのが難点だ。

 そこで総務省は2020年秋、電波を遠くに飛ばしやすい4G向けの周波数を5Gに使うことを認めた。4G用の電波を5Gに転用すればエリア展開は有利になる。一方で、通信速度の決め手となる周波数の「幅」が狭いために、実際の通信速度が4Gと変わらない可能性が高い。それが“なんちゃって”と呼ばれるゆえんだ。