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 5G(第5世代移動通信システム)にまつわるモヤモヤの解消を目指す本特集。前回(第1回)に続いて4G用の周波数を転用した5Gサービス、いわゆる「なんちゃって5G」を取り上げる。今回は通信速度チェックの結果をお届けする。

5Gと4Gのいずれも通信環境が良好な東京タワー周辺を計測地点に選定
5Gと4Gのいずれも通信環境が良好な東京タワー周辺を計測地点に選定
(撮影:日経クロステック)
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 調査に当たってはauのサービスエリアマップで「5Gエリア<ミリ波・sub6>以外の周波数」を調べ、その面積が比較的大きい東京都港区の東京タワー周辺および千代田区の靖国神社周辺の2カ所を選んだ。現地では「Galaxy A32 5G」(韓国サムスン電子製)が備える電波測定ツール「ServiceMode」を利用し、KDDIが4G向けから5Gに転用している周波数「3.5GHz帯」の電波を捉えていることも確認した。

 速度チェックは、インターネットの接続性能評価サービス「Speedtest」のスマートフォンアプリを使って実施した。具体的にはGalaxy A32 5Gのピクト表示が「5G」となりアンテナが4本フルに立っている状態で、アプリ上で同一の接続先サーバーを指定し、5Gモードと4Gモードの通信速度を5回ずつ交互に計測。最大・最小の値を除いて各3回分の平均値を算出し、比べてみた。

定番の計測アプリ「Speedtest」で通信速度をチェック
定番の計測アプリ「Speedtest」で通信速度をチェック
(画面を筆者がキャプチャー)
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 いよいよ調査の結果をみていこう。まずは東京タワー周辺だ。基地局から端末への下り方向で、5Gの平均速度は毎秒277.7メガビットだった。これに対して4Gも同259.3メガビットと肉薄した。一方、上り方向では5Gの同33.9メガビットに対して4Gでは同23.8メガビット。5Gのスピードは4Gの4割増しとなった。

 続いて靖国神社周辺で計測したところ、下り方向は5Gが毎秒174.0メガビットで、4Gでは同106.8メガビットだった。上り方向では、5Gが同38.9メガビットで4Gは同37.2メガビット。5Gの下りの速度は4Gに比べて6割アップで上りの速度はほぼ同等との結果が出た。