新型コロナウイルスワクチン接種に向け政府と自治体は相次いで関連システムを投入する。ワクチン接種関連システムは、政府が2021年9月に設置予定の「デジタル庁」が担うマイナンバー活用やデータ活用、国と自治体が一体となったデジタル化の推進といった取り組みの先駆けともいえるシステムである。デジタル庁の成否を占う試金石といっても過言ではない。この特集では新型コロナウイルスワクチン接種に当たっての、政府と自治体のシステム開発・運用の現状と課題、そのプロセスでの両者のコミュニケーションを見ていくとともに、デジタル庁創設についての課題と期待を明らかにする。

特集
デジタル庁の試金石、「ワクチン接種DX」徹底解説
目次
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小林大臣補佐官が語るデジタル庁の前哨戦、ワクチン接種記録システムを2カ月で開発
2021年4月12日、全国の自治体で高齢者への新型コロナウイルスワクチン接種が始まった。安全な接種をスムーズに行うため政府が開発し、自治体に提供して利用するのが、マイナンバーを活用して接種者の状況を把握する「ワクチン接種記録システム(VRS)」だ。VRS開発の経緯と、そこから見えてきたデジタル庁へ…
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マイナンバー管理のワクチン接種記録システムに残る懸念、「政府に協力」決めた舞台裏
全国の自治体で、2021年4月12日から高齢者への新型コロナウイルスワクチン接種が始まる。安全な接種をスムーズに行うため政府が開発し、自治体に提供して利用するのが、マイナンバーを活用して接種者の状況を把握する「ワクチン接種記録システム(VRS)」だ。当初はマイナンバー利用するシステムに懸念を持って…
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新型コロナワクチン接種にSNSフル活用、政府と自治体の「溝」は埋まるか
新型コロナウイルスワクチン接種の準備に当たり、政府と自治体は情報共有にSNS(交流サイト)をフル活用している。ある自治体職員は「これまでよりも政府は自治体の声を聞こうとしているようだ」と話す。ただ、政府と自治体の情報共有サイトはすでに乱立状態だ。
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新型コロナワクチンの副作用把握にシステム導入、医療データ活用の布石になるか
16歳以上の全国民を接種対象として、初めてのワクチンを接種する――。新型コロナウイルスワクチンの安全な接種に向けて、接種後の健康状態を迅速に把握するためのシステム導入やデータ活用が進む。これを契機に、これまで遅々として進まなかった医療データの連携・利活用につながるとの期待もある。
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デジタル庁の成否占う試金石、新型コロナワクチン接種関連システムに課題山積
65歳以上の高齢者を対象とした新型コロナウイルスワクチン接種が2021年4月12日から始まる。ワクチン接種に向け政府と自治体は相次いで関連システムを投入する。マイナンバーなど個人情報を扱うこれらのシステム運用は複雑であり、政府と自治体の連携もカギとなる。
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