ハラスメントやテレワークがメンタルヘルスにもたらす問題の実情を探った、日経クロステックの独自アンケート。今回はハラスメントの内容について掘り下げていく。
アンケートでは過去3年間で身近にハラスメントを体験した人に、その内容をさらに詳しく尋ねている。2021年3月8日から12日にかけて、建設実務者である読者に対してインターネットで実施した。
「その他」を含めた14項目から当てはまるハラスメントの内容を複数回答で選んでもらったところ、最も多かったのは「人格を否定するような言動」で、54.1%に至った。これに続いたのが「業務成果などへの過剰な叱責」で52.6%だ。こちらも半数を超えた。
5割には満たなかったものの、「業務内容などへの過剰な干渉」が3番目に多く45.9%を占めた。「業務における実現困難な要求」が39.1%で続いており、業務を巡るコミュニケーションで問題が多発している状況が浮かび上がってくる。
一方で「身体的な特徴についての不快な言動」や「身体への不適切な接触・性的に不快な言動」「プライベートについての過剰な詮索」といった部分での問題行為も1割強の回答者が訴えていた。業務とは関係の薄い領域でのハラスメント行為が根強く残っている点も見えてきた。
ハラスメント行為が招いた結果についてもアンケートでは確認している。最も多かった回答は「仕事のパフォーマンスが落ちた」の63.9%だった。業務の生産性などを巡ってハラスメント行為が起こっている傾向が強い半面、ハラスメント行為は組織に利益をもたらさないという矛盾をこの結果が示唆している。