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 建設産業界におけるハラスメントの実情を建設実務者に対するアンケートでつまびらかにする本特集記事。今回はアンケートに寄せられたハラスメントの具体的な事例を紹介する。コメントからは、様々な問題が渦巻く現場の姿が鮮明に浮かび上がってくる。こうした行為が看過されている組織や業界に未来はない。

日経クロステックが実施したハラスメント実態のアンケートには、数多くの意見が寄せられた(資料:日経クロステック)
日経クロステックが実施したハラスメント実態のアンケートには、数多くの意見が寄せられた(資料:日経クロステック)
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仕事ぶりを叱責

■自分の考えを押し付ける

 失敗した部下に対して、きつく叱責。その処理について過剰なほどの報告書類を作成させ、その内容が求めるレベルに到達できていないという理由で、また叱責する。修正過程で満足な回答が得られないと、自分の考えを押し付ける。横から見ていて言い過ぎではないかと忠告しても、聞く耳を持とうとしない。(50代男性、総合建設会社)

■発注者が人格否定と中傷

 メールで資料を送付した際に、「資料を送付しました」と電話しなかったことに腹を立てた発注者が「お前たちは気持ちよく仕事ができると思うなよ」と脅していたと聞いた。その後、管理技術者が1時間以上にわたって人格否定や業務と関係のない中傷を受け、メンタルを患って数カ月休む羽目になった。 上長が客先に事情を説明した結果、先方からわびが入り、発注者の担当が変わった。(30代男性、建設コンサルタント会社)

いまだ残るセクハラ

■セクハラ発言は日常茶飯事

 女性に対するセクハラ発言は、日常茶飯事。「こんなこと言ったらセクハラになっちゃう」とニコニコしながら平気で発言している人が何人かいる。嫌な事だと認識してもらえないうえに、騒ぎ立てると「もうおばさんのくせに」と言われるので、我慢して聞いている。(40代女性、専門建設会社)

■不倫関係を執拗に迫る

 結婚していないことに対して、言葉によるハラスメントや執拗な不倫関係への誘い、業務に関係のない男性関係の質問などが日常的にある。現場で何かを指摘すると「生意気な女」と言われることも少なくない。(40代女性、建築設計事務所)

■着替えを目の前で見せられる

 「技術職だからセクハラに耐性がある」と勝手に思い込まれ、目の前で着替えを見せられたり、下ネタを聞かされたりする。(40代女性、インフラ企業)

■民事訴訟に発展

 20代の女性が、30代の同僚が身体的特徴に関して発した言葉によるセクシュアルハラスメントを会社側に訴えた。部署の異動や接近しないための配慮など会社側は適切に対処したものの、その対応を不満に感じた本人が民事訴訟を起こした。(50代女性、専門建設会社)