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第3の失敗

 筆者は設計コンサルタントを始めて16年になります。クライアント企業からの依頼は、トラブルの撲滅や設計審査の活性化、設計マネジメント力の強化、超低コスト化手法など多種にわたります。一言でまとめれば、①設計改革の推進です。

 最近は、②オンライン化による高速設計が高い評価を受けています。通常の形態よりもオンライン化の方が、創造力を要する設計業務では効率的と気づいてきた証拠でしょう。一方、設計コンサルタント業は、月に数社を請け負っていても、例えばクライアントの2社が同時期に同じテーマになる場合が少なくありません。コンサルタントとしては、2社ともに熱意を注いで成果を上げたいと願うのは当然です。しかし、現実には1社がうまく進行し、もう1社が駄目というパターンが何度も繰り返されてきました。

 一般にコンサルタントとは、その企業の経営や品質などの向上を指導しますが、たった1人のコンサルタントだけで活躍することは不可能です。そのクライアント企業の中で、自分に協調してくれる、やる気満々の部長や役員を探すこともコンサルタントの仕事です。

 そこで、駄目なクライアントというのは、その協調者がやる気がない場合がほとんどだと筆者は決め付けて、契約途中であっても強制キャンセルしていたのです。今、猛省しています。

やる気満々の外国の技術者と無気力な日本の技術者

 私が書籍やコラムでよく紹介するのが図1です。図の右側には「2-6-2の法則」を示す図があります。これは、優秀層と中間層、下位層の人数割合です。

 一方、図の左側に示したのが技術セミナーの座席です。外国の技術者が先を争って座るのが前方席であるのに対し、日本の技術者は早く到着しても後方両端席を選びます。興味深いのは、この座席位置と2-6-2の法則がピタリと一致することです。

図1●後方両端の「やる気のない席」を好む日本人技術者
図1●後方両端の「やる気のない席」を好む日本人技術者
(作成:國井技術士設計事務所)
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 韓国の大企業をクライアントに持つ私の事務所の情報では、全ての部門ではありませんが、技術者は原則「業務指名制」です。基本的に美容師や、高校野球や箱根駅伝の選手などと同じです。指名されない者は仕事がなく、企業からの評価は得られません。

 これに対し、日本の技術者は座っていれば業務が入ってきます。時短の働きが認められるのはもちろん、最近では副業可の企業があるほど。まさに至れり尽くせりです。ちなみに韓国の業務指名者に副業者は皆無です。

 かつて私はこの比較から日本企業へのコンサルテーションに関してやる気を失っていた時期があります。今、猛省しています。