実現すれば世界を大きく変える可能性が高い自動運転関連技術。特に、LiDARやミリ波レーダーなどセンサーの開発動向を中心に、国内外の最新技術動向をお伝えする。

沸騰、自動運転エレクトロニクス
出典:日経エレクトロニクス、2021年5月号 pp.18-19
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
目次
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国内の自動運転は遠隔からのレベル2~3 運転手不足の現実解
日本国内で実証実験が進む自動運転には、遠隔管制型が多い。少子高齢化によるバスの運転手不足や免許返納問題に対する最短コースでの解決策になるとみられているからだ。
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どっこい生きてたV2X レベル4以上の自動運転では必須に
カメラ、LiDAR、ミリ波レーダーという自動運転の“3種の神器”を、車両にとっての死角をなくす道路側センサーとして交差点の信号機や街灯などに装着する動きが出てきた。
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テスラやNVIDIAに省電力性能で大差 ルネサスの自動運転AIチップ
車載向けAIチップの開発では日本企業の健闘が目立つ。ルネサスは省電力化技術で競合他社を圧倒、デンソー小会社のNSITEXEは革新的アーキテクチャーの実用化に挑戦する。
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自動運転に必須の地図データ 自動作成技術で格安に
これまで高額な費用がかかり、更新も数カ月ごとがやっとだった自動運転用高精度(HD)マップにも破壊的技術がやってきた。1000万台超の一般ドライバーが自動収集するデータを基に、超低コストかつ分単位での地図更新が可能になってきた。
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カメラとLiDARは融合へ AIとも連携し人の目を超える
カメラ単体の技術の進化はほぼ終了。これからは他のセンサーとの一体化やAIを含む機能の深いレベルでの連携が始まりそうだ。
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ミリ波レーダーの解像度はLiDAR並みへ 基板や筐体で材料革新も
これまで水平方向だけだったミリ波レーダーの解像度が垂直方向も含め急速に高まり始め、LiDARを差し置いてセンサーの主役になる可能性が出てきた。機能をソフトウエアで変更する仕様の実装も進む。京セラ、日本電産、パナソニックなどが技術開発を牽引している。
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大失敗したFMCW型LiDARの光走査 復活・代替技術に希望の光
FMCW式の最大のネックは光ステアリング技術だ。中でもOPA(光フェーズドアレー)型は一度は投資家や市場を深く失望させた格好になった。OPAの復活は本当か。対抗技術はあるのか、についてお伝えする。
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デンソーも注目のFMCW式LiDAR dToFを凌駕する可能性も
期待されながら製品化は失敗続きだったFMCW。Siフォトニクス版が続々と登場し、近い将来の市場席巻が見え始めた。有望企業には巨額の投資が相次ぎ、上場する例も出てきている。
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MEMSミラー×dToF式LiDARで日本企業に存在感 村田製作所も参戦
これまで車載向けLiDAR製品で影の薄かった日本のメーカーだが、MEMSミラー型×dToF式のLiDARでは、一定の存在感を見せ始めた。
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機械的回転式LiDARは時代遅れに MEMSミラー式で開発激化
つい数年前まで主流だった機械的回転式のLiDARに代わって急速に台頭してきたのがMEMSミラー型LiDARである。ただし、寸法1つとっても大型化したり小型化したり、と方向性はまだ定まっていない。
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沸騰する自動運転エレクトロニクス 革新技術が次から次へ
自動運転関連技術は、あたかもゴールドラッシュであるかのように世界中の資金と人材がつぎ込まれ、新技術を生み出す一大テクノロジードライバーとなりつつある。