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これまで高額な費用がかかり、更新も数カ月ごとがやっとだった自動運転用高精度(HD)マップにも破壊的技術がやってきた。1000万台超の一般ドライバーが自動収集するデータを基に、超低コストかつ分単位での地図更新が可能になってきた。

 自動運転にとって位置情報はセンサー以上に必要不可欠な情報だ。その情報の取得環境がここへきて急速に整ってきた。地図情報でも以前は非現実的だった、分単位での更新が実現しそうだ。

 GNSS衛星を利用した測位は誤差数cmでのデータが利用可能になっている。たとえGNSS衛星が見えない環境でも、比較的低コストで一定時間は自己位置が分かるようにもなってきた。

海外から超低コスト技術来襲
分単位のデータ更新も実現へ

 自動運転技術の破壊的技術革新は、高精細(HD)マップと呼ばれる自動運転に必須の地図作りにも及んできた。

 自律型と呼ばれる、道路のインフラに頼らない自動運転車は、HDマップがなければ道路を1cmとて走れない。自分がどこにいるのか分からなくなるからだ。HDマップと後述するGNSSやIMUの位置情報と姿勢情報があって初めて周りの世界が分かるようになる。

 HDマップの大きな課題は、作成コストが正攻法では非常に高いことだ。

 まず、地図データ計測システム「MMS(Mobile Mapping System)を搭載したクルマの価格が本誌推定で約1億円。加えて、そのMMS搭載車で全国を走行するための人件費や、測定したデータの処理コストなどが、測定する道路の延べ長さに比例して膨大にかさんでいく。