全1400文字
PR

 サービスとデータの基盤を整え、ERP(統合基幹業務システム)でリアルタイムのデータを生かした機動的な経営を目指すクボタ。そのうえで、自社だけで足りないITノウハウは他社との協業で補っていく。

 クボタは農機の自動運転技術に向けて、2020年に米エヌビディアとAI領域で協業した。農機にエッジコンピューターと通信モジュールを搭載し、エッジとクラウド双方のAIで周囲の状況や土、作物の生育状況を認識しながら、人手に頼らず自律的に作業するといった、高度なAIの実用化を目指す。

 「農機の自動運転は自動車などと異なり、振動、農地や作物の傾き、水を張った田んぼの水面下の状態や障害物など考慮すべきパラメーターが多く、処理できる高性能のコントローラーを製品化しているベンダーは少ない。信頼性の高いコントローラーを出しているエヌビディアとの協業で開発を加速させる」(石見憲一次世代研究第二部部長)。

 NTTドコモやNTT東日本、日立ソリューションズ、北海道大学などとは、5G(第五世代移動通信システム)を使った遠隔制御の実証実験を北海道岩見沢市で実施している。複数台のトラクターやコンバインを遠隔地の監視センターからローカル5Gやキャリア5Gを介して遠隔で監視・操作する。

実証に使用したトラクター(同型機)。実証実験用に5Gの通信モジュールやカメラを搭載
実証に使用したトラクター(同型機)。実証実験用に5Gの通信モジュールやカメラを搭載
写真提供:クボタ
[画像のクリックで拡大表示]
クボタなどが北海道岩見沢市で実施している、5Gによる農機の遠隔監視・操作の実証実験
クボタなどが北海道岩見沢市で実施している、5Gによる農機の遠隔監視・操作の実証実験
[画像のクリックで拡大表示]

 「農機の周囲に人がいるかどうか程度なら4Gでも確認可能だが、作物の生育状況などは4Kの高精細映像を5G経由で伝送しないと遠隔地で確認できない。実用化されれば多数の農機を同時接続することになる。小さな遅延で多数接続できる5Gが必須になる」(阪口和央次世代研究第一部新コンセプトチームチーム長)。