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 新型コロナウイルス禍で迎えた2度目の春。今や多くの企業でテレワークが定着した。テレワークの拡大は従業員の生産性や満足度向上に貢献する一方、会社への帰属意識の希薄化やセキュリティーの確保など新たな課題が浮上している。先進企業の変革リーダーも試行錯誤を繰り返しながら、Withコロナ時代の最適な働き方を模索している。

「孤独」な従業員、気軽に雑談できる場で救う

 「無駄なように思える時間が、逆に生産性を高めることにつながる。こうしたメリットに、もっと目を向けるべきだろう」。日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボが2021年3月17日に開催した「ITイノベーターズ会議」で、人材サービス大手であるパーソルホールディングス(HD)の内田明徳グループIT本部本部長は、こう強調する。

パーソルホールディングスの内田明徳グループIT本部本部長
パーソルホールディングスの内田明徳グループIT本部本部長
(撮影:井上 裕康、以下同)
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 パーソルHDでは、テレワークの浸透を背景に、従業員から「孤独だ」「会社への帰属意識がなくなっていく」といった声が出た。そこで、バーチャルオフィスなどを活用し、従業員同士が気軽に雑談できる場を設けた。一見、業務上は「無駄な時間」のように思えるものの、こうした時間が従業員同士のチームワークや一体感を高め、生産性向上につながっているという。

早朝深夜のオンライン会議が現場の負担に、求められる試行錯誤

 テレワークの定着により、ZoomやMicrosoft Teamsといったオンライン会議ツールの利用が当たり前になった。場所に縛られず、手軽に会議を開けるようになった一方、負の側面も浮かび上がる。

 例えば、海外拠点の担当者とのオンライン会議。時差の関係で、早朝や深夜に会議に参加せざるを得ない従業員がいる。こうした従業員の業務負担や不公平感をどう解消するか。グローバル企業の多くが抱える悩ましい問題だ。

 関係者全員を集めて、オンライン会議で意思決定を下す――。こうしたやり方だけでは、現場の負担は減らない。「ドキュメントに基づいて意思決定を下すような方式を、積極的に取り入れていく必要がある」。LIXILでCDO(最高デジタル責任者)を務める金澤祐悟執行役専務は、こう話す。

 従業員がオンライン会議で一堂に会して、直接対話で意思決定を下す。案件によっては、オンラインなどで共有したドキュメントを加筆・修正しながら、物事を決めていく――。働きやすさと生産性向上を両立する方法は1つではない。現場が抱える課題を解決するための工夫と試行錯誤が、企業には求められている。

ITイノベーターズ会議(2021年3月開催)で議論したテレワークなどのポイント
ITイノベーターズ会議(2021年3月開催)で議論したテレワークなどのポイント
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