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 業務の「超自動化」や効率化を実現するため、デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む企業が増えている。その有力なITツールの1つが、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)である。日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボが2021年3月17日に開催した「ITイノベーターズ会議」では、大手RPAベンダー2社のキーパーソンが講演した。そこでの注目発言を見てみよう。

 「RPAツールを活用した、基幹系システム周辺部分の自動化が、より重要性を増す」。RPA業界で大手の一角を占める米UiPath日本法人の鈴木正敏取締役は、こう明言する。基幹系システムを改修しようとすると、時間とコストがかさむケースは少なくない。利用部門の自動化ニーズは高いものの、基幹系システムの機能追加・変更が難しい領域に対し、RPAツールを積極的に導入し、自動化を迅速に進めようということだ。

米UiPath日本法人の鈴木正敏取締役
米UiPath日本法人の鈴木正敏取締役
(撮影:井上 裕康、以下写真同)
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 先進事例の1つとして、鈴木取締役は三井情報を挙げる。同社は独SAPのクラウド型ERP(統合基幹業務システム)で基幹系システムを刷新するのに合わせ、UiPathのRPAツールで周辺業務を自動化。ERPとRPAの役割を明確に定義したことにより、短期間でプロジェクトを完遂したという。業務の超自動化を進めるには、ERPとRPAの両方を上手に使いこなすことが重要といえそうだ。

ITイノベーターズ会議(2021年3月開催)で議論したRPA導入などのポイント
ITイノベーターズ会議(2021年3月開催)で議論したRPA導入などのポイント
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RPA導入は個別最適から全体最適の段階へ

 RPAツールを提供する英Blue Prism日本法人の長谷太志社長は、社内に導入したRPAツールのガバナンスの重要性を説く。「これまで人事や経理部門などが個別に進めていたRPAの導入プロジェクトを集約し、全社的な視点でガバナンスをきっちりと利かせることが、今後重要になる」(長谷社長)。RPAツールの利用範囲が拡大してきた昨今、RPA導入は個別最適から全体最適の段階へと移るとみる。

英Blue Prism日本法人の長谷太志社長
英Blue Prism日本法人の長谷太志社長
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 RPA導入を巡っては、野良ロボット(管理者不在のRPAロボット)が増え、システム管理や業務遂行に悪影響を与えるリスクがある。Blue Prismは野良ロボットを生み出さないため、個別最適ではなく全体最適の視点でRPAを導入しやすくする、サーバー型のRPAツールを強化しているという。RPAの利用範囲が拡大している企業は、統合管理機能に強みを持つRPAツールを選択することが賢明といえそうだ。