量子コンピューターの急速な発展によって、現在の通信で一般的に使われている暗号システムが一瞬で解かれてしまう危険性が顕在化してきた。国家機密など機微な情報を守る技術として世界で量子暗号通信の開発競争が激化している。規模で世界を圧倒する中国の脅威に、世界各国が対抗する構図が見えてきた。

突発、量子ネット大戦
目次
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量子インターネット実現へもう一つの解、阪大・NTT「全光方式」
量子インターネットの開発にはNTTも力を注いでいる。量子中継器において、ダイヤモンドNVセンターのような物質の量子メモリーが必要不可欠と考えられているが、NTTは光の送受信装置のみで量子中継できるという「全光方式」を提唱している。
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量子インターネット最大の難所は中継、“ダイヤモンド”が救世主
量子メモリーを用いる量子中継において現在、有望視されているのが、「ダイヤモンドNVセンター」と呼ばれる物質を活用する手法である。
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究極の情報通信、量子インターネットの正体 実現は2030年以降か
米Googleや米IBMが開発にしのぎを削る量子コンピューター。複数台の量子コンピューターを相互接続すると演算能力は指数的に上がる。そのためのネットワーク基盤「量子インターネット」は、現行インターネットとまったく異なるプロトコルと中継器が必要になる。
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東芝島田氏「量子産業でGAFAを超える、データが鍵を握る」
2020年度第4四半期に量子暗号通信の事業を開始した東芝。同社の量子暗号通信装置は、他社製品を上回る性能を持ち、国内外で数多くの実証に参加する。東芝はどのように量子暗号通信市場を攻略する考えなのか。
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26年にも量子暗号衛星打ち上げへ、NICTが狙う中国追撃シナリオ
中国、そして日米欧において実証が進む量子暗号通信(QKD: Quantum Key Distribution)。日本勢は装置の性能や国際標準化などで強みを持つ。官民連携で社会実装を広げていけば、世界をリードできる可能性がある。
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東芝が狙う世界シェア25%の目算、量子暗号通信 日本の勝機
中国、そして日米欧において実証が進む量子暗号通信(QKD: Quantum Key Distribution)。日本勢は装置の性能や国際標準化などで強みを持つ。官民連携で社会実装を広げていけば、世界をリードできる可能性がある。
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林元文科相「量子技術は日本のお家芸、拠点作りで強み伸ばせ」
2021年2月、日本の量子技術研究を加速するために、国内の大学や研究機関に中核となる8拠点を整備する「量子技術イノベーション拠点」事業が動き出している。同戦略の推進に大きく関わった自由民主党 量子技術推進議員連盟 会長の林芳正氏(自由民主党参議院議員 元文部科学大臣、元農林水産大臣、元防衛大臣)に…
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実は世界トップクラスの実力、日本勢が世界へ挑む量子暗号覇権
量子コンピューターの急速な発展によって、現在の通信で一般的に使われている暗号システムが一瞬で解かれてしまう危険性が顕在化してきた。国家機密など機微な情報を守る技術として世界で量子暗号通信の開発競争が激化している。
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五神前総長が明かす東大改革、「量子人材を前倒しで育てる」
2015年から6年間、東京大学総長として「大学が社会変革を駆動する」ことを標榜し、産学連携など大胆な大学改革を次々と打ち出した五神真氏。米IBMと連携し、IBMの量子コンピューターの導入を決めるなど、量子人材の育成にも力を入れる。総長を退任したばかりの五神氏に狙いを聞いた。
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五神東大前総長の決意「データで社会変容、大学を信頼の拠点に」
2015年から6年間、東京大学総長として「大学が社会変革を駆動する」ことを標榜し、産学連携など大胆な大学改革を次々と打ち出した五神真氏。新型コロナウイルス感染症の流行や脱炭素(カーボンニュートラル)など社会環境が激変する中、大学はどのような役割を果たすべきなのか。
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年収2500万円超えも、IBMや東大が量子人材育成に注力する訳
「量子系人材の需要はかなり高い。AI(人工知能)系人材以上に希少なため、人材の取り合いになっている」――。こう明かすのは、量子コンピューターの開発などを手掛ける日本IBMだ。企業や政府機関が量子人材の育成や集約に急ぐ背景には、35年度に現在の15倍にもなるという量子関連の市場規模拡大がある。世界規…
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量子時代のスプートニクショック、中国4600kmの量子暗号通信網
量子コンピューターの急速な発展によって、現在の通信で一般的に使われている暗号システムが一瞬で解かれてしまう危険性が顕在化してきた。国家機密など機微な情報を守る技術として世界で量子暗号通信の開発競争が激化している。規模で世界を圧倒する中国の脅威に、世界各国が対抗する構図が見えてきた。