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 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で、トヨタ自動車の“独走”が続く。同社が2021年5月12日に発表した20年度通期(20年4月~21年3月)の連結決算によると、同年度の世界販売台数(連結販売台数)は764万6000台だった。前年度に比べると14.6%の減少だが、前回計画(21年2月時点、以下同じ)よりも4万6000台増えた。日本や北米、欧州、中国などで20年度下期に新車需要が回復したことが、前回計画を上回る世界販売に寄与した。

 世界販売の回復に加えて、原価改善や諸経費の削減などによって、20年度通期には2兆1977億円の営業利益を確保した。同利益も前回計画を1977億円上回った。売上高営業利益率は8.1%に達する。同社執行役員の近 健太氏は、同日に行ったオンライン会見で、「これまで地道に行ってきた原価改善やサプライチェーン改善などの取り組みが寄与した」と述べた(図1)。

近 健太氏
図1 トヨタ自動車執行役員の近 健太氏
(オンライン会見の画面をキャプチャー)
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 21年度(21年4月~22年3月)も好業績が続きそうだ。世界販売台数は前年度に比べて13.8%増の870万台を計画する。日本や北米、欧州、アジアなどすべての地域で販売を増やす(図2)。870万台という世界販売台数は、新型コロナの感染拡大が本格化する前の19年度(19年4月~20年3月)の実績に迫る注1)

注1)19年度の世界販売台数は895万5000台だった。

21年度の世界販売台数(計画)
図2 21年度の世界販売台数(計画)
(出所:トヨタ自動車)
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 21年度の業績については増収増益を目指す。売上高は同10.2%増の30兆円、営業利益は同13.7%増の2兆5000億円を計画する。達成できれば、売上高や営業利益は19年度の水準に戻る注2)

注2)19年度の連結売上高は29兆8665億円、営業利益は2兆3992億円だった。

 ただ、目標達成に向けては、20年度から続く車載半導体の不足問題という課題がある。これに対して今氏は、「半導体不足による需給のひっ迫リスクを、21年度の計画に織り込んでいる。現時点で大規模な生産調整(減産)は計画していないが、半導体の需給状況を注視しながら、生産は慎重に行っていく」と述べた。