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 2021年3月末からの本格運用が約半年後に延期されたマイナンバーカードの保険証利用。3月上旬から実施したプレ運用の結果、システムの基盤となるデータの正確性に致命的な不備が判明したほか、院内で患者の保険資格情報が読み込めないエラーなどが発生した。

 厚生労働省が延期の主な原因として挙げているのは、システムの基盤となるデータの正確性の不備だ。他人のマイナンバーとの取り違え、被保険者情報の未登録、被保険者番号の誤りなどである。

 マイナンバーカードを保険証として使用可能にするには、健康保険組合などの保険者が加入者の被保険者番号や保険資格情報、マイナンバーをひも付けたうえで「医療保険者等向け中間サーバー」に登録する必要がある。そのため厚労省は健康保険組合などの保険者と連携して、2020年11月から登録作業を進めている。

 具体的には、全国約3000の健保組合などが加入者データを順次登録。厚労省は全体の工程管理と、登録された加入者データに間違いがないかどうかの確認を担ってきた。ただ2021年2月時点で、マイナンバーが同じ保険者内のほかの加入者のものと取り違えて登録されるといった入力ミスが約3万件見つかっている。

 その後、厚労省が健保組合などに入力ミスの確認を要請し、3月24日時点でマイナンバーの取り違え登録は50件ほどまで減ったが、再発防止のために2021年6月までにマイナンバーの取り違えを確認するシステムを導入する。存在しない番号を入力するとエラーが出るシステムはもともと実装されていたが、今回問題となった番号の取り違えは検出できなかったためだ。既に登録された番号が再度登録されるなど誤入力の可能性がある場合にアラートが出る。