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 マイナンバーカードや健康保険証を用いることで、患者の保険資格を簡単に確認できる「オンライン資格確認等システム」。顔認証付きカードリーダーで本人確認を行い、レセプトのオンライン請求のネットワークを介して保険資格を照会することで最新の情報を自動的に取得できる。また、保険資格の確認にマイナンバーカードを使う場合、患者の同意を得られれば、過去に処方された薬剤や特定健診の情報も閲覧できるようになる。厚生労働省が推進するデータヘルス改革の基盤となるシステムだ。

 そのため、厚労省では期間を限定して、本人確認に使うカードリーダーを病院には3台、診療所には1台まで無償提供する。また、オンライン資格確認の環境整備にかかる費用について、病院は一定の補助上限の半額、診療所は同4分の3まで補助を受けられるようにするなど、普及を促進してきた。だが、当初2021年3月下旬に開始予定だった同システムの本格運用は、プレ運用でのデータの不備によるエラーが発生していることなどを踏まえて10月まで延期することになった。

 日経BPの医師向けサイト「日経メディカル Online」はこうした状況を受け、病院経営者および診療所を開業する医師会員を対象に、オンライン資格確認の導入状況と導入意向に関する調査を2021年4月に実施した。その結果、4割が「導入する予定はない」と回答。「分からない」とする16%も含めると、6割近くが導入に消極的とみられる。

「既に導入した」医療機関は4.2%

 「オンライン資格確認を導入していますか」との質問に対しては、4.2%が「既に導入した」と回答。36.5%が「導入する準備を進めている」とした(総回答者7536人のうち、病院経営者および診療所を開業している934人の回答を集計。以下同)。病院と診療所で傾向に大きな違いは見られなかった。ただし、「導入する準備を進めている」という回答の中でも準備の進捗状況には大きな差がありそうだ。

「オンライン資格確認を導入していますか」との質問に対する回答
「オンライン資格確認を導入していますか」との質問に対する回答
出所:日経メディカル Online
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「オンライン資格確認を導入していますか」との質問に対する回答
「オンライン資格確認を導入していますか」との質問に対する回答
出所:日経メディカル Online
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 3月31日までにカードリーダーを申し込んでおけば、すぐに導入しなくてもオンライン資格確認に関する補助金を受けられるため、「取りあえずカードリーダーの申し込みまでを行っている」という医療機関がある一方で、既に院内のシステム改修を終えており、国のシステム本格運用に合わせてすぐに導入できるように院内の業務フローを整備している医療機関もあるとみられる。