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IT人材の雇用・人事制度にジョブ型を取り入れる動きが加速している。日立製作所は全社員を対象に導入プロジェクトを進行中だ。新たなキャリアをいかに構築し、身に付けるべきスキルや経験をいかに検討するか。社員1人ひとりがジョブ型を自分ごととして捉えて取り組むよう、工夫を凝らしている。

 日立製作所は一般社員にもジョブ型制度を導入するに当たり、2021年4月から社員一人ひとりがジョブ型を「自分ごと」と捉えて行動するよう促す取り組みを始めた。2020年度に作成した「標準ジョブディスクリプション(JD)」を社内で公開してそれぞれの職務に求められる責任や能力などを示すほか、上司と部下による1on1ミーティングなどを通じてキャリアを構築する意識を高める。

日立製作所における2021年度のジョブ型制度の取り組み
日立製作所における2021年度のジョブ型制度の取り組み
(出所:日立製作所の資料を基に日経コンピュータ作成)
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「自分ごと」へと行動促す

 日立製作所の人財統括本部人事勤労本部でジョブ型雇用導入プロジェクトを率いる岩田幸大企画グループ長は「社員が(キャリア構築の必要性を)腹落ちして理解し、自分で考えて行動するプロセスが重要だ」と語る。どんな制度でも、個々の社員の意識が変わらなければうまく機能しないからだ。

 2021年7月からは、社員がJDを踏まえて自分が経験すべき業務や強化すべきスキルを検討するよう促す。2020年度に導入した、社員が自分の職務履歴や資格、専門性のレベルなどをチェックできる「セルフキャリアチェック」と呼ぶ仕組みを活用するほか、キャリア形成などを学ぶ研修も拡充する。

 2022年1月以降は、社員が希望する仕事を上司に伝えたり、ジョブポスティング制度を活用したりするよう促す考えだ。eラーニングなどによるリスキルや自己啓発支援などを強化するほか、フリーエージェントやポスティング制度の拡充や強化、兼業や副業の支援なども計画している。

 2020年度に作成した標準JDには、日立社内の全業務を職種・階層別に分類して、各職種のそれぞれの階層に求められる責任や能力、行動、知識などを記述している。その数は450種類にも及ぶ。各職種の統括責任者が中心となって検討委員会を設け、人事のメンバーとともに策定したという。