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IT人材の雇用・人事制度にジョブ型を取り入れる動きが加速している。NECはジョブ型への移行に向けてキャリア採用を拡大。ジョブポスティング制度による社内の人材流動化に力を入れている。社内公募するポストは年間1000件を超えるという。

 NECは2021年度内にジョブディスクリプション(JD)を作成し、2022年4月から管理職向けに運用を始める計画だ。それに先立ち、ジョブ型による社員のキャリア構築を促す仕組みの1つとして2021年4月から管理職を対象に成果主義を強めた新たな人事評価制度を導入した。

 新制度ではメリハリをつけた評価と報酬を徹底してキャリア構築の動機づけを強化する。従来の制度は報酬に大きな差が生まれにくかった。

 NECは新制度において、管理職が1年間の業務の目標を示した「コミットメントシート」を作成して提出するようにした。この目標シートを基に、業務の成果や目標達成の度合いを厳格に評価して報酬に反映する。

 従来は半期単位で目標を設定して評価していたが、成果に連動する報酬の割合が少なかったという。2018年に執行役員クラスへコミットメントシートによる人事評価制度を導入していたが、管理職にもキャリア構築のための目標達成の動機づけが必要と判断して対象を広げた。

JDの粒度を工夫、形骸化防ぐ

 作成を進めているJDについては、すべてのポジションに対して事細かくジョブの定義を記述する考えはないという。JDを詳細に定義しすぎると運用が煩雑になる恐れがあるからだ。NECの佐藤千佳人材組織開発部長は「海外企業がグローバルスタンダードとして導入している程度の粒度にすることで、(制度が)形骸化しないようにしていきたい」と話す。

NECの佐藤千佳人材組織開発部長
NECの佐藤千佳人材組織開発部長
(出所:NEC)
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 制度体系の構築や運用の主軸は人事部門が担うが、個々のジョブのデザインやJDの作成など現場レベルの構築・運用はそれぞれの事業部で行う。各事業部の「HRビジネスパートナー(HRBP)」と呼ぶ担当者が、部門長などをサポートしながら現場に寄り添って進めていくという。

 今後は労働組合との協議で一般社員にも導入を検討する考えだ。日本電気労働組合の塩田明中央執行委員長も「企業変革の必要性は十分に理解しているので、会社側の提案を見ながら真摯に対応していく」と語る。