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 米Microsoft(マイクロソフト)は2021年5月18日(米国時間)、Windows 10の機能更新「May 2021 Update」の配信を開始した。

 May 2021 Updateでは多くの機能が追加されるとみられていた。しかし、これまでの機能更新の中で比較的小規模にとどまり、マイクロソフトから機能として追加したとアナウンスされたのは「Windows Hello」顔認証のマルチカメラサポートだけで、そのほかはMicrosoft Defender Application Guardなどのパフォーマンス改善が中心だった。

 なぜMay 2021 Updateは小規模になったのだろうか。これまでのWindows 10の更新プログラムを振り返りながら、今回のMay 2021 Updateの内容や提供方法、サポート期間を確認してみよう。

2021年上期の機能更新は順番通りなら大規模

 Windows 10には更新プログラムとして、機能を追加する年2回の機能更新(Feature Update)と、脆弱性やバグを修正する月1回の品質更新(Quality Update)が提供される。機能更新は大型アップデートとも呼ばれ、May 2021 Updateは2021年上期の機能更新である。

 機能更新では2019年上期まで、毎回多くの機能が追加されてきた。しかし、2019年下期の「November 2019 Update」からこの状況が変わった。

 November 2019 Updateで追加された機能は、それまでの機能更新と比べて明らかに少なく限定的だった。パフォーマンスと品質の向上が目的とされていたので、安定性を重視するために機能追加の量を絞った更新であったと考えている。その次の「May 2020 Update」では、従来通り多くの機能が追加された。そして「October 2020 Update」では、再び機能追加の量は少なかった。このため、2021年上期では大規模な機能追加、下期では小規模な機能追加になるとみられていた。

Windows 10の各機能更新の概要
リリース日は米国時間。出所:富士ソフト、以下同じ
機能更新名バージョン時期リリース日規模提供方法
May 2021 Update21H12021年上期2021年5月18日有効化パッケージ
October 2020 Update20H22020年下期2020年10月20日有効化パッケージ
May 2020 Update20042020年上期2020年5月27日通常
November 2019 Update19092019年下期2019年11月12日有効化パッケージ
May 2019 Update19032019年上期2019年5月21日通常
October 2018 Update18092018年下期2018年11月13日通常
April 2018 Update18032018年上期2018年4月30日通常

 しかし、マイクロソフトは2021年2月、May 2021 Updateは小規模な機能更新になるという見通しを発表した。May 2021 Updateはセキュリティーやリモートアクセス、品質改善を対象としたリリースと位置付けられた。ユーザーからのフィードバックを基に、すぐに解決すべき課題に対応したとしている。

上期の更新で初の有効化パッケージを採用

 May 2021 Updateのインストール方法には、上期の機能更新で初めて「有効化パッケージ(enablement package)」が採用された。

 有効化パッケージはNovember 2019 Updateで初めて採用され、October 2020 Updateにも採用された。どちらも下期の機能更新で小規模だった。品質更新の一部として無効な状態で配布されていた機能を、有効化パッケージによって有効にするという提供方法だ。

 有効化パッケージでは、以前の機能更新をインストールし、品質更新をすべて適用していれば、非常に軽量なプログラムの実行だけでインストールが完了する。May 2021 Updateでは、May 2020 UpdateもしくはOctober 2020 Updateをインストールし品質更新を適用していれば利用できる。

May 2020 UpdateもしくはOctober 2020 Updateをインストールし品質更新を適用していれば軽量な更新プログラムでアップデートできる
May 2020 UpdateもしくはOctober 2020 Updateをインストールし品質更新を適用していれば軽量な更新プログラムでアップデートできる
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 May 2021 Updateで提供される機能は、October 2020 Update以降の品質更新に含まれていてそれが無効化された状態になっている。軽量な更新プログラムを実行し、再起動することで有効化されてアップデートが完了する。

 なお、May 2020 UpdateもしくはOctober 2020 Updateがインストールされていない場合は通常のプロセスでアップデートされる。